私の中の部屋が閉じていく。(解離)
私は解離性同一性障害です。
解離性同一性障害は一般的に多重人格というとイメージしやすいでしょうか。
一番目立つ症状は、複数の交代人格とともに生活をしていることです。
なのですが、最近は交代人格が全然現れなくなりました。
今日は久しぶりに解離の話です。
精神疾患の人の不思議な話だなあ、くらいに聞き流してください。
解離性同一性障害の人の中には、内界と言って、頭の中や心の中やに部屋や街があって、そこに交代人格が暮らしているという、そういった症状を持つ人がいます。
私も例にもれず内界があり、部屋があって、そこに住んでいてその部屋と現実世界をずっと行ったり来たりしています。
最近は、その内界もずっと遠い。
内界って、現実で生活しているときにも常に頭の中に存在しているのが普通でした。
一番手前の部屋が見えていて、そこに誰かしら交代人格がいて話しかけてくるのが、日常だったんですけど。
そういえばここ1年くらい、普通に生活しているときは部屋を意識していません。
今まで交代人格たちも常時姿が見えて会話して生活していたのに、現在はたまに声がする程度。
ある日、包丁使うときにぼんやりしてると「危ないよ~」とかふらっと声がする。またある日は、何か物思いにふけって心の中で独り言を言っていると「それってこういうことじゃない?」助言をしてくる。でもすぐいなくなるのです。
例えるなら、友達とのお泊り会で真夜中うとうとしながら会話をしていて、会話の途中で相手がいつの間にか寝てしまったような、そんな感じでふと会話をしてはいなくなる。
交代人格は意識がぼんやりしていて、うとうとしている状態なんじゃないかと思います。
何時間も会話するということはなくなりました。
寝る前に、内界の部屋に意図的に行ってみたこともあったんですけど、なにやらぼんやりしています。
はっきり見えていた部屋が、どこかぼんやりと夢のような……。
いや多分内界って白昼夢の一種だと思っているのでもともと夢なんでしょうけど、でも、ずっとぐっすり寝ているときの夢みたいなはっきりさだったのに、現在は覚めかけの夢みたいに遠い感じがします。
とりあえず一番手前のリビングに行きましたが、誰もいない。
真ん中のソファーに座る。部屋がやたら広い。
そう、以前 note を書いてくれていた、葵。
内界の葵の部屋のドアなくなっていることに気づきました。
葵はすっかり姿を見なくなってしまい、だいぶ経ちましたが、部屋がないってことは……もういないのでしょうか。
あとは note で未紹介ですが、さぁやの部屋もない。
子供人格はもともと奥のほうで暮らしていたからリビングには部屋がなかったはず。
あるのは、詩織と忍の部屋のドアだけになっていました。
この二人は私の一部というよりかは、保護したり見守ったりする人格たちです。
現在日中声をかけてくるのは、二人のうち、詩織。
詩織は幼稚園のころにはすでにいたので、一番古い子だと思います。
詩織と忍の部屋はあるけれど、二人ともリビングには出てきていません。
ドアの前で呼び続けると出てきてくれたので、その日は寝るまで会話をしました。
解離、少しずつ落ち着いていっているのかな。
交代人格が現れてないから、最近は人格交代もしてないと思う。
交代していても記憶が飛んでしまうため自覚するのは難しいんですけれど、記憶が途切れてないから交代してないはずです。
今年の夏の旅行中は、旅の工程を全部覚えていて note に書きました。
だから旅行中3日間一度も解離を起こしてないと思いますし。
いつか部屋にも完全に行けなくなってしまう気がする。
詩織と忍は私に対してかなり好意的な交代人格だから、会えなくなったらとてもさみしいです。
特に詩織はすでに書いた通りかなり古い付き合いなので、いるのが普通の感覚。いつかいなくなるなんて考えたことなかったよ。
不思議な感覚。
今はひとりで現実の部屋にいると、本当にひとりきり。
いや、たぶん多くの方はずっとそれが普通なのでしょうが、私、本当の意味で一人で過ごすってなかなか体験したことなくって。常に誰かしらの声を聞いて生きていたから……。
さみしいなあ。
でも、病院では交代人格が稼働しているととても脳が疲れて、他の精神的な症状につながると言われていて。
だから、人格交代する必要がないのなら、一人きりになってしまったほうが私は元気に暮らせるのかもしれなくって。
だからたぶん、これでいいのだと思います。
できる限り元気でいたいですからね。
私が主人格として統合のベースとして残ったのだから、私が人生やっていくしかない。
今日の曲は「漆黒」です。
ボーカルはA00#color、私の声の合成音声です。
冬に合うきらきらサウンドです。
よろしければお聴きください。