鯤鯨は竜になるのか鵬になるのか
こんばんは、赤利鳥です。
陽射しはまだ夏のように眩しいですが、空気は涼しくなって過ごしやすさを感じ始めました。
皆様、体調崩さずにお過ごしでしょうか?
先日、成田山新勝寺へ秋詣に出掛けました。
私は毎年10月や11月になると、次の活動の準備に入ることが多いので、商売繁盛と家内安全を祈願して御護摩祈祷をしてきました。
熱心な信徒という訳ではないのですが、神も仏も先祖も生き霊などなども、「ない」と説明できないものは「ある」と思っている人間なので、祈りという時間や空間は大切に思っています。
具体的なお願い事は、自分自身の力で叶えていくものと思っています。
なので、常に祈ることは『自分の行いを見守ってください』ということ。
正しい道…なんてものは無いかもしれませんが、もし人の行いに善い悪いがあるとしたら、善いと思うことをしたいと思うのです。
久し振りに、太鼓の音や御経が身体に響きました。
何かがリセットされた気持ちです。
ちょっとデトックスされて浮腫とか取れてそう(個人の感想であり重さは1ミリも変わってなかったです)
そして、今回のおみくじ・・・
タイトルに書きました「鯤鯨」というのは、想像上の大きな魚のこと。
まずは書いてあることから→
鯤鯨未変時
且守碧潭渓
風雲興巨浪
一息過天地
読みはこのような感じです→
鯤鯨(こんげい)未だ変ぜざる時
且(か)つがつ碧潭(へきたん)の渓(たに)を守る
風雲、巨浪(ころう)を興(お)こす
一息(いっそく)にして天地を過ぐ
解説すると→
鯤鯨(こんげい)は、古代中国の思想家「荘子」の著書『荘子』の内篇「逍遙遊(しょうようゆう)篇」の巻頭に出てくる、北の果てにいるという幾千里あるのかわからない大きな魚です。
この大きなお魚さんは、竜に変化することが出来るのです。
でも、今はまだ、その時じゃない!
変化するには力を蓄えないといけないのです。
今は青く深い淵に身をひそめて、変化できるその時期まで待ちなさい。
その力が熟した時、鯤鯨は竜に変化して、風を起こし雲を呼び巨大な波を巻き起こして、川底から一気に天へと昇ることができるでしょう。
その勢いは、何物でも止めることはできないのです。
つまり、
『今は動く時じゃない。動けるように準備をして、目的地へ向かう為の備えを万全にしておくのじゃ。時期が来たら、その時に一気に駆け上がれるようにのう』というお話。
今、焦らずに心を落ち着かせて準備しなさい。
そう言われているようなおみくじ結果で、今の気持ちにピッタリでした。
焦らず、しっかり準備して進みたいと思います。
蛇足:
「鯤鯨が竜になる」というお話があるのか、Google先生で調べてもイマイチ出てきませんでした。
というのも、『荘子』に書かれているのは、「鯤(こん)」という大きな魚が「鵬(ほう)」という大きな鳥に変化するお話なのです。
鵬であれ竜であれ、想像もできないほどの大きな存在だ!
という事なのでしょうけれど、どうして竜になったのか・・・
その理由が書かれているサイトは、見当たりませんでした。
なので、ここからは私の考察になります。
「おみくじ」発祥の地は、比叡山延暦寺の元三大師堂が有名です。
成田山新勝寺のおみくじも「元三大師おみくじ」が基になっていると思われます。
今回の記事を書くにあたって、いくつか参考にさせて頂いたサイトがあるのですが、『鯤鯨は鵬になる』となっているものと、私が引いたおみくじと同様『竜』と書かれているものがあります。
これは、宗派によるところが大きいと思いますが、土地の地域性にも由来している気がします。
竜は河を現し、土地名の由来になっていたり、水神(竜神)として竜を祀っているところもあります。
日本は島国。
昔から、水の恵みと水の脅威が日常にありました。
鵬よりも竜の方が、馴染みのある存在だったのではないでしょうか?
また、成田山の御本尊は不動明王。
その右手の利剣には、龍が絡みつき剣先から呑み込もうとしているお姿があります。
この龍は黑龍といい、不動明王の化身ともいわれます。倶利伽羅龍神(倶利伽羅不動)と呼ぶそうです。
境内にも、竜が施された装飾が多くみられますから、竜と縁の深いところであることも由来になっているかもしれません。
考察していくと、どんどん知りたくなってしまいました。
また、詳しく調べて記事を書きたいと思います。