感情は伝わり、そして伝染する
感情って、みなさんにとってどんな存在ですか?
私にとっては、相手の個性やその人らしさを知るきっかけになるもの、共有し合うことでお互いへの理解を深め、仲間意識が生まれるもの(逆も然り)、その場の空気を変えるもの。
時には物事を円滑にする為に利用される方もいますね。働いていて、それがチームや組織においてよい効果をもたらす場面を何度も見てきました。
感情については、いろんな考えや想いが自分の中にあるのですが、今日は"感情は伝染する"ということについて書いてみます。
【感情の伝染とは】
あなたは、誰かに怒りの感情をぶつけられた時、どんな気持ちになりますか?また、イライラしている人が近くにいる時、同じように自分もイライラしたり、引っ張られるように嫌な気持ちになったりしませんか?
逆に、友人の結婚式などでは一緒に幸せな気持ちになったり、普段から元気な人と話したら自分も元気をもらえたり、いつもより少しだけポジティブな気持ちになれたりしませんか?
心理学では、このように他者の情動が伝播し自身の感情に影響を受ける(自分の感情のようになる)現象のことを、【情動感染】と呼んでいます。
私自身も、仕事でお客様に喜んで頂けた時は同じように心が嬉しい気持ちになります。
スタッフ同士でも、忙しかったり1人の負担が大きい時、ピリピリとした空気に皆が飲まれてしまうことも時もありますし、逆に元気に声を掛け合える人がいるだけで同じ忙しさでもみんなが笑顔で乗り切れる時もあります。
また、この現象は、対面の相手に限らず映画やニュースの内容など多岐に渡り、私たちは日々様々な場面でこの情動感染の影響を受けています。
【人間は社会的動物】
この情動感染という現象は、私たちの脳のミラーニューロンという神経回路が影響をしています。
私たちは、この脳機能によって相手の動きや表情から感情や意図を理解することができ、沢山の他者と協力しながら社会生活を共にすることができていると考えられます。
また、この機能があるから、私たちは相手に共感や思いやりの気持ちを持つこともできます。
まさに、人間が社会的動物と言われる所以となるような機能だと感じました。
情動感染は、そんな機能が働くが故に相手の感情を理解し、自分のことのように目の前の人の痛み、喜び、悲しみ、様々な感情を多少なりとも同じように感じ起きてしまう現象のようです。
【ネガティブな情動感染からあなたを守るために】
では、自分がネガティブな感情を受け取らないためにはどうしたらいいのでしょう?
まずは、情動感染の存在を知っていること。
感情は伝染すると理解していれば、適切な心の距離感で物事を見ることができます。
もちろん、苦しんでいる人の気持ちに寄り添って共感し、そばにいることで救われる気持ちも沢山ありますよね。
でも、それは自分が元気でなければ続けられないことだとも感じるのです。
大切な人が一緒に泣いたり怒ったりしてくれるのは、本当に嬉しいことですが、一緒に辛く悲しい気持ちに引きずられてしまうのは、悲しく、本来望んでいないことなのです。
だから、あなたが何か感情を揺さぶられる出来事や人にであった時、一度立ち止まって考えてみてください。
この感情を私は受け取り、感じる必要があるのか、この距離は適切なのかを。
ふたつめに、受け取ってしまったものは溜め込まない。
どんなことも、そのまま自分の中で貯めてしまうとモヤモヤした気持ちが大きくなってしまいます。
誰かに雑談くらいの気持ちで聞いてもらって、冷静になればいいし、難しそうなら、紙に今感じている感情を書いて、ビリビリに破いて捨ててもいいでしょう。
みっつめに、環境を意識する。
できる場合、できない場合はあるかと思いますが、自分が多くの過ごす環境がどうであるか、今一度見つめてみてください。
不用意にネガティブな会話や感情が飛び交う環境は、もしかしたら気付かぬうちに自分や周りに大きな影響を与えているかもしれません。
環境を変えること、コミュニケーションの取り方を変えること、距離を変えること、できることから自分を守れる場所を作っていってくださいね。
暖かい気持ちになれる場所や人、趣味を見つけて、その場所で過ごす時間はきっとあなたを元気にしてくれますよ。
【ポジティブな感情の伝染を作る】
先ほどとは逆に、感情が伝染することを理解していれば、あなたはポジティブな感情を表現することで周りを少しハッピーにすることができます。
これってすごいことですよね。
あなたが心から笑顔でいれば、周りを笑顔にできる。
あなたが楽しそうにしていれば、周りも楽しくなる。
私は、もともと1人の方が好きだし、あまりおしゃべりな人間ではありませんが、自分が一緒に過ごしていて楽しかった人のコミュニケーションの取り方を少しだけ真似して、楽しそうに人の話を聞くようにしてます。
そうすると不思議と自分も楽しいし、相手も楽しくお話ができていることが多いです。
相手にしてもらった嬉しいことは積極的に伝えてます。
そうすれば、私も言葉にすることでより嬉しい気持ちが増しますし、相手にも喜んでもらえて、もう一度自分も嬉しい。
か
寄り添う気持ちも、そっと背中を押してくれる暖かさも、ひっぱりあげるポジティブさも、それぞれ適切なタイミングはあるけど、全部大切な人間のあたたかさ。
私はたくさん、この感情の感染に救われてきました。
ずっとできない苦しみに紛いていたけれど、いつもそれを救ってくれるのはお客様の笑顔や、同僚との会話でした。
だから、自分もそんなポジティブな感情が伝染する場所を作りたいなと思っています。
長くなってしまいましたが、
最後まで読んでくださり、ありがとうございます😊