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大人でも子どもでもない17歳 -- はるまきごはん / “セブンティーナ”
はじめましての人は、はじめまして。茜涼夏こと泡沫たんぽぽです。この記事は、#ボカロリスナーアドベントカレンダー2023 参加記事です。obscure.さんが今年も主催してくださいました。感謝です!
私は、第一会場22日目を担当しています。第二会場では、音さんが担当されています。
今年で5回目の参加になるこちらの企画。今回は、はるまきごはんさんのとある曲について書いていきます。
はるまきごはん / “セブンティーナ”
今この記事を読んでいるあなたは、大人でしょうか。大人になったあなたは、子どものころに思い描いた大人になれましたか。
まだ、子どもだよ~という方は、どんな大人になりたいですか。
「セブンティーナ」とは、おそらく17歳の私(人)という意味だと、私は解釈しました。実は、この作品が投稿されてから3年と5か月後、大人の定義が変わりました。法律が変わって、20歳から18歳へと引き下げられたのです。
そう。大人の年齢が17歳にぐっと近くなったのです。まさに子どもと大人の境目のような、どちらでもないセブンティーナの歌詞を見ていきましょう。
間違ってばっかの私は
「大丈夫なんだ」って言うけれど
ほんとの本当はガラスよりも繊細だ
強がってばっかの私は
そういえば学校の帰り道
なんども何度も泣いたこともあったっけ
セブンティーナ(Lyrics)
17歳の私は、間違ってばかり。それに、心はガラスよりも繊細なのに強がってしまう。だから、泣きながら帰り道を歩くことも多い。
17歳という時期は、多感でふと夢や現実、それに将来のことをぼんやり考えて、不安にさいなまれる人が多いことでしょう。
毎日通っている学校という居場所には、気まずくなってしまう子も仲の良い子もいます。ときどき、その間に挟まれしまうことも。
このころは、学校が世界のすべてで一人ぼっちになることへの不安が生まれやすいです。
大人になること
水を飲むこと
私達が永遠じゃないこと
当たり前でも
そんなことでも
全部キラキラしていたんだ
セブンティーナ(Lyrics)
大人になることも、水を飲むことも生きていくには必要なことです。ですが、大人になっていく中で失われてしまうかものがあるかもしれません。それは、子どものころには、あたり前にあったキラキラしたもの。
それは、目を輝かせて夢中になったもの、涙を流したこと、新しい世界に触れた瞬間の感動、学校の帰り道のたわいもない友達との会話、授業中に見た窓の外の景色……etc.
年を重ねることで新鮮で、心躍る日々は少しずつ減っていきます。でも、このキラキラを持ち続けることはできます。子どもの心をなくさないように努力することで、できると私は信じています。
子どもの心をもつことで、傷つかなくていいことで傷ついたり、苦しんだりする副作用のようなものはあります。でも、これからも大事にしたい。そして、できるならこれを読んでるあなたにも持ち続けてほしいと思います。
セブンティーンじゃ無いなら
もしも無くしちゃったようなら
何度だって言うよ
この世界の愛し方を
セブンティーンはエンドレス
史上最弱で最強の
私のこと思い出せば
もう怖いもんなんて無いな
セブンティーナ
セブンティーナ(Lyrics)
17歳の私を忘れないように、呪文のように愛し方を魔法の呪文のように唱えます。忘れなければ、私の中のセブンティーナは、終わりません。
間違ってばっかの私は
間違ってばっかの私は
セブンティーナ(Lyrics)
歌詞の最後は、間違ってばかりだけれど、これからもセブンティーナーー17歳の私と歩んでいくんだという決意を感じました。
本作“セブンティーナ”は、大人でも子どもでもない17歳の私と、手を取って歩んでいくことを決めた曲なのではないでしょうか。
私にとってこの曲は、大人になる前の私に会いたくなる作品です。大切にずっと聴き続けたい、はるまきごはんさんの楽曲です。
12月の街はイルミネーションと澄んだ空気で、まるで魔法がかかったようです。大人になったらワクワクしなくなると思いましたが、今でも心躍る私がいます。
大きく変わったのは、プレゼントをもらう側からプレゼントを贈る側になったことでしょうか。大人になることがこわくてしかたがなかった17歳の私に「大丈夫だよ」と伝えてあげたいです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
以下、過去のボカロリスナーアドベントカレンダー参加記事です。
2022-ボカロ曲レビューによせて
2021-ray / Leo/need × 初音ミク - ボーカロイドと歌うこと -
2020-冬の夜に聴き入りたいボカロ10選
2019-ぼかうたらじお! #1「VOCALOIDと歌ってみた」