好きに形はないけれど

今日の夜、かくしかさんのあるvocanoteを読みました。

このvocanoteを読んで、文章が書きたくなったので書いていきたいと思います。

冒頭では、かくしかさんの好きな曲と素敵な出会い方をした話が瑞々しく書かれています。好きな曲と奇跡のような素敵な出会いをするのはなかなかないことなので、本当によかったなーと読んでいました。

めでたしめでたしと終わると思いきや、その好きなアーティストに対して前より情熱や好きという気持ちが持てなくなってしまったことをかくしかさんは告白しています。

嫌いになったわけではありません。売れたからといった安易な理由でもありません。

いつまでも若者の共感を得やすい鬱屈した青春のメッセージを綴り続けているナブナに違和感を感じ始めているのは、僕のほうが何らかの意味で成長、変容して、彼らの “メインターゲット” から外れただけかもしれない。というか、これがおそらくもっとも単純かつ妥当な答えだと思う。

主に十代に向けた曲が響かなくなってしまう。そんな経験をしたことがある方は、どれだけいるでしょうか。

まだそんな経験したことないよ、という方はその時期を大事にいろいろなものに触れて、好きを増やしていってください。

経験済みだよという方。そのとき、辛かったですか。悲しかったですか。寂しかったですか。

私は音楽ではなく、大好きなあるライトノベル作品がある時期から薄っぺらく感じて読めなくなって、一人で泣いてしまったことがあります。

ボカロにハマる前は読書が大好きだったので、好きなものが好きではなくなってしまうことが本当にショックで、今でもよく覚えています。

このことがあったためか、音楽でも同じことが起きたときーー好きや情熱が薄くなってきたことに気づいたとき、そういう時期になってしまったんだな、と冷静に受け止めていました。

でも、好きであればあるほど、その事実を受け止めることは難しいでしょう。なぜ私が受け止められたのかというと、十代の私を心の中に残して、作品を鑑賞しているからです。

十代だったらここのこの歌詞響くだろうなー、そうでしょ?と十代の私と向き合いながら作品を楽しむんです。

その後に今の私としても作品を楽しみます。また、二つの楽しみ方を比較して楽しみます。

十代のころの自分を心の中に残すことはできます。そのせいで傷つかなくてもいいことで傷ついたりして、大変かもしれませんが。

十代に向けた作品だから、十代以外が好きになっていけない、なんてことはないでしょう。ずっと好きでいいんです。

十代のころのように熱くなくても、穏やかな好きでもいいんです。

じゃあ、好きじゃなくなってしまったら?

今まで好きだったものを大切にしてあげてください。今はそんなに熱はないものも、好きだった事実は変わりません。大好きだったものは、あなたの一部になっています。

好きだったものを抱えて歩くのは、荷が重いです。でも、その好きはあなたの一部になっているはずなので、共に歩くことがきっとできるはずです。

十代の好きは、盲目的です。熱量はこの時期が強いです。

年を重ねて緩やかに熱量が下がる気がします。でも、同時に好きに自覚的になると思います。

頑張れば内に秘めた好きの熱量を持ち続けることを大人になった以降でも、可能だと私は思います。

好きの形は変わっても、好きでい続けることはできます。

このnoteを読んでる方は、ご存知かと思いますが私はボカロが好きです。高校生のときから、今に至るまでずっと。

好きの熱量や表現方法は、変わりましたが好きなことは変わりません。

環境が変わってボカロから離れることがないように、生活するようになっていました。

でも、もしかしたらボカロへの熱がゼロになってしまう日が来てしまうかもしれません。(そんな日は来てほしくないですが。)

だから、好きを忘れないようにvocanoteを書いたり、ツイートしたり、DJしたりします。

今このときの“好き”の熱を昇華して残しています。それがボカロへの糧になると信じて。

好きだからやっぱり好きなもののために何かしたい。この思いと、生きていた証を好きなことで残したいという気持ちがずっとあります。

いきなり「生きた証」なんて話をして、おおげさだなと感じられるかと思います。でも、重い話になってしまいますが、小学生のとき私は持病で一度死にかけて以来、明日死んだらと考える癖がついています。

「明日死んでもいいように生きよう」とその頃からぼんやりと思い続けています。

かくしかさんのvocanoteにこのようにアンサーするのも、はたしていいことなのか悩みました。でも、たぶん書かずに死んだら後悔するだろうから、今キーボードをカタカタ、内心びくびくしながら書いています。

ちゃんとした答えになっていないと思います。かくしかvocanoteを読んで思ったことを自由に書いてしまいました。不快に思われたら、すみません、かくしかさん。

まとまっていませんが、これで筆を置くことにします。

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