【連載】 魔法使いの街4(魔法仕掛けのルーナ16)
声がした方を見ると、先ほどから何度も出くわしている男性客達が、ニヤニヤと無遠慮な視線をこちらに向けていた。
「迷子かぁ? 田舎モン」
一人が大声で言うと、残った二人があたりを憚らずに笑い声をあげる。
アレクは内心ムッとしたが、努めて表情には出さなかった。
(どっちも事実だ、落ち着け。意地を張ってもどうにもならないぞ)
彼は何食わぬ風を装って男達に近付いていった。距離が狭まるにつれて男達の顔から笑みが消え、代わりに、警戒心もあらわに眉根を寄せ始める。
歓迎されていない