【連載】 フリード・シアン2(魔法仕掛けのルーナ3)
図書館の行き帰りくらいは問題なくできるようになったと見て、次は買い物を覚えさせようと、僕はルーナを連れて商店街へ出かけた。
雑貨店の前で立ち止まって買い物に必要なことを教えていると、店員の女性が話しかけてきた。
「いらっしゃい。お兄さん、よく来てくれる人よね」
「こんにちは。はい。お世話になってます」
おそらく60歳くらいだろう、人当たりのいい気さくなご婦人である。
彼女はルーナの全身をまじまじと見つめて言った。
「綺麗な奥様ねぇ。いつの間にご結婚なさったの?」
僕