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母が脳幹出血で倒れた話【入院 9〜10日目】

2020年3月3日(火)
昼からの面会に合わせて病院へ向かう。
それにしても、余命1週間余りと言われた母は、驚くべき生命力を発揮している。
腹筋を鍛えている人は、心臓や肺の機能が衰えてきたときに心臓の代わりに腹筋がポンプの役目をするらしい。母の寝姿を見ていると、お手本のような綺麗な腹式呼吸をしている。息を吸い、腹に空気が入った後に胸が膨らんでいる。

この感じ、見たことある。身近な親族で。似たような状況で同じように生命力の伸びを見せた、腹式呼吸の名手。笑
母の父、私の祖父。声優 北村弘一だ。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)による誤嚥性肺炎で入院・重篤となった後、医師の予想を裏切り間近に迫った母の主演舞台を待ち望むように数日間、強く生きた祖父。
その祖父と、母の姿が重なる。祖父の入院先の看護師に「普通ならもう死んでますよ。これは腹式呼吸の力なんです」と言われた、あの腹式呼吸。
腹式呼吸がしっかりと身についてる人は、普段の呼吸も腹式呼吸。普通に息をするだけで腹筋を使い、内臓が限界になっても、腹筋を使って息をする。
声優の祖父と言い、舞台俳優の母と言い、声出す仕事の人は違うんだなぁ。
ドラマーの私には無理そうである。

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