大切な、いいね

私は犬や猫をたくさん飼ってお世話している。

その犬猫たちはいわゆる「保護動物」である。

私はかつて、行き場のないとくに犬をもらって1頭

でも救い、最期まで看取ることを生きがいにしてい

た。

今は猫2匹、犬7匹の世話をしている。

猫は子猫からもらったが

犬はみんなシニアからもらってきた子だ。

下は9才から上は推定18才まで。

お世話は楽しいし、生きがいだ。

このような保護動物をもらうには

保健所からもらうか、動物保護団体または個人ボラ

ンティアや一般の人が手放す掲示板を見て

譲り受けるのが一般的だ。

私も動物保護団体からもらっていた。

その動物保護団体は、インターネットで積極的に

譲渡する子を掲載し

SNSなどで拡散することによって

たくさんの人たちに保護動物の里親になってもらえ

るよう宣伝していた。

私もSNSでその団体を知り

ある時から譲ってもらうようになった。

私には妙な正義感があった。

皆が可愛いと思う犬よりも

もうあまり余命はないけれどもどうかこの子の最期

は温かい家庭で幸せに看取ってあげてください。

こんなフレーズに弱かった。

一刻も早くうちで引き取り

少しの間でもいい、看取ってあげたい

そんな気持ちで

引き取り看取っていた。

私はSNS上で「いつも可哀想な子を助けてくれるあ

の人

と、少しだけ有名になった。

私は有名になりたいわけではなく

ただ目の前の命に必死だった。

引き取った子はSNS上で健康状態などその後の様子

を世の中に掲載していた。

そのため、自然と励ましの言葉やいろんな声をコメ

ントしてくれて

SNSは盛り上がっていた。

私はとにかく伝えることが義務だと思い

正直になんでもネットで伝えた。

私の言動にはみな一喜一憂だった。

同じように同じ保護団体からたくさんの動物を引き

取っている人がいた。

その人も可哀想な子を見ると引き取らずにはいられ

ない性分らしい。

その人は私よりもたくさんの子を引き受け

めんどうを見ていた。

私たちは

自然とコメントを交わすようになった。

その女性は私よりも年上で

私よりもたくさん引き取っていたから

わからない時行き詰まった時

ダイレクトメッセージでやりとりをするように

なった。

そのうち、彼女が「保護施設で会いませんか?

と言ってきた。

私は迷ったが、「是非お会いしたいです。

と返事をした。

そして、日時を決めて会った。

それから彼女と、彼女の仲間から

へんな態度を取られるようになった。

SNSに動物について掲載すると

細かいところを指摘して厳しくダメ出しされるよ

うになった。

私は最初異変に気付かなかったが

厳しいダメ出しは続いた。

私は保護施設で会った彼女が

その仲間に嘘を言っていることがわかった。

私はその施設で目立ちたいから

可哀想な子を引き取っている

引き取った子は、病院に連れていかず

ネグレクトしている

等々。

応援してくれてた人たちも

みんな離れていった。

公開イジメだった。

私とは関わりたくなさそうだった。

私はただ目の前の子を救いたかっただけなのに。

しかし、世間の反応は冷たかった。

今は細々とSNSをしている。

昔のようにたくさんの応援があるわけではない。

あまり正直に動物について報告もしなくなったし、

コメントもたまにくれるが

あっさりと返してなるべく仲良くならないように

している。

それでも

まだその時のことを知っていて

実際にお会いしたことのある人が

今だにいいねをしてくれる。

コメントを交わすことはほとんどないが

彼女はずっとその保護施設に通い

SNSに動物の様子を掲載している。

私は彼女の投稿にいいね、をしてよいか

いつも迷う。

彼女が私と通じてることは

彼女にとって保護施設と付き合っていくのに

プラスではないからだ。

しかし彼女は今日もいいね、をくれる。

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