見出し画像

母との旅行 台湾でパスタ


※ 2019年12月、高槻現代劇場での落語会『レセプション亭』パンフレットに書いた文章です。(転載許可いただいております)
いつも好き勝手なことを書かせてもらって感謝です!


「母親と二人、台湾旅行に行ってきました」と言うと「親孝行やねぇ」とほめていただくことがあるのですが、そのたびにおいどこそばゆいといいますか、申し訳ない気持ちでモゾモゾしてしまいます。
というのもこの旅行、親孝行なんてつもりはこれっぽっちもなかったからです。

画像1

( 初日に食べたチェーン店のルーロー飯) 


ことの起こりは去年の台風。出張のためピーチ航空で取っていた便が
「飛べるか…もしかしたら飛ばないかもね」
ということで、確実な陸路に変更。キャンセルをしたところ、返金はお金ではなく「ピーチポイントで」とのこと。
このポイントを使ってもう一度ピーチ航空に乗ってね、ということらしい。なんじゃそら。


てなことを、何気なしに母親にボヤきましたら目を輝かせて
「ほなそのポイントで台湾に行けるね!」

いや、誰も一緒に行くって言うてないし…わたし福岡かどこかにぶらっと行こうと思っててんけど…と答える隙もなく、あれよあれよという間に台湾行きが決定したのでした。
「親孝行」というよりもわたしの中では「ポイント強奪」でしかありません。


 とはいうものの、行ったら行ったで楽しいのが旅行でして、ことにうちの母親は「なんでも積極的に楽しもう!」精神の強い人なので、一緒にいても「大丈夫かな?おもしろいかな?」と気を使うことなく楽ちんなのです。



 台湾のお楽しみといえば、なんといってもごはんです。豚の角煮が乗ったルーロー飯に小籠包、北京ダックに絶品スイーツの豆花などなど…日程と食事の回数を考え、どこでなにを食べようか策を練ったのですがその通りにいくはずもなく。

画像2


画像3

画像4

(普通に写真をはったのですが、なぜ豆花のだけデカい?)


途中であまりにお腹が空きすぎて、ついうっかり、通りすがりのお店で食べてしまいました。晩ごはんに。パスタを。パスタて!

日本でも食べられるのになんでよりによって台湾で!とそのときは痛恨の極みでありましたが、いまだにその話を持ち出しては「あれはなかったよなぁ」と笑えているので、それはそれでよかったのかもしれません。

画像5

(パスタを食べた、松山文創圓区のお店。おしゃれやのう)

画像6

(同じくカフェ。おしゃれやった)


 ひとつだけ、惜しむらくは故宮博物院の宝物・石でできた白菜と角煮がよそへ貸し出し中だったこと。
「見たい方はオーストラリアへ」って行けるかい!

画像7

(あらためて見て思う。「行けるかあっ!」)


 心残りを思い出しつつ、母親に言うと「また見に行かなあかんね!」
と目を輝かせそうなので黙ったままでいるのです。


※ 米朝門下の桂千朝師匠を中心に番組が組まれる『レセプション亭』
  次回は 6月13日(土)13時開演 です。
  わたしも、そのうち怒られるんじゃないかと案じつつ、パンフレットに
  寄稿しております。


追記
思い出した。
この台湾旅の帰り、ピーチ航空が機材トラブルでたしか3時間以上遅延したのだった。
関空に着くのが0時すぎ、大阪市内までどうやって戻ろう。最悪、関空近くのホテルに泊まるか…? と焦りまくっていたわたしとうらはらに、この母はピーチからお詫びとしてもらった施設利用金券で
「日本でやったらこんなん食べへんし~」
と、気楽にゴディバのショコリキサーを注文していたのだった。

わたしはわたしで、関空着陸寸前に気がゆるんだのか安心しすぎたのか、あくびしたらアゴがはずれてなかなか元に戻らず
「このまま口あいたまま、家に戻るのか…」
と涙目になったのだった。(5分ほどでなんとか戻りました)

タイミングよく空港からのバスに乗り込むことができ、それでも家についたのは午前3時近くという、なんとも印象的な旅の終わりでありました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?