本番が終わった帰り道に考えていたこと
本番が終わりました。
帰り道、月がきれいで。
少し欠けていました。
月のまわりは本当にまっくらで、
雲も何も無くて、
月の光が余計まっすぐでした。
少し欠けていて、満月ではなくて、
でも写真に写したら満月っぽく見えました。
なんか、あぁ、こういうことだよな、ってすごく思いました。
欠けていたのに、写真に写したら満月で、
だから、ずっと未来の自分が見返したら多分、
これは満月だって思う気がします。
生きていくってそういうことだなぁって。
その時はでこぼこで、全然きれいじゃなくて、
くるしかったり、
いやになったり、
なげだしたくなったり、
そんなことがいっぱい、というか、
そうやって言葉にできること以外の、
不甲斐なさとか悔しさとかもっとぐちゃぐちゃしたものばっかりで、そんな中でなんとか生きていて、
なのに、その時間が過ぎ去ってしばらくしたら、そのでこぼこは忘れていく。忘れられていきます。
あぁ、楽しかったよなぁ
充実してたよなぁ
そうやって、ひとくくりにして終わっちゃう。
そんなことばっかりだなぁって思います。
私は受験期、本当に本当に苦しくて、しんどくて、本当に、人生でいちばん泣いてたし、苦しんでた気がしていて、
なのに今思い返せば、
「あぁ、私がんばってたよな」
ってまとめちゃうことが出来る。
そうやって、どんどん色んな気持ちや感触がうすれていくのがこわいです。
でもそうしないと、脳みそがキャパオーバーになっちゃうのかなぁ。
忘れたくない。覚えていたい。
だから私はできるだけnoteに、
パッとしないような感覚、気持ち、形があんまりない感情とか、
そういうとりとめもないようなことをできる限り残したいなぁと思っていて。
私は写真をよく撮るのですが、綺麗に撮るつもりは全くないです。
映えとか、写真うつりとか、本当にどっちでも良くて。
でもただ、そこに行ったこと、それをしたこと、その人と過ごしたこと、それを食べたこと、
そういうのを忘れたくなくて、
そして何より、目の前にその景色があった時に自分が何を思っていたか、何を感じていたか、を忘れたくなくて。
その景色が残っていれば、少しでもその時の感覚を保存できるかなぁと思って、私は写真を撮ります。
でも、
忘れちゃうこと、美化しちゃうこと。
そういうことがあるから人間はうまく生きられるのかもしれないし。
それが無かったら、苦しさとか、悲しみとか、そういう感情に心も体も押しつぶされちゃうのかもしれない。
だからまあ、仕方ないのかなぁと、
思ったりも、します。
とりあえず、
今日は満月ではなかった。
でも本当にきれいな月だった。
いつか月を見上げた時にきっと、
今日の日を、
今日あの月を見上げていた自分を、
そして隣にいた人たちを、
思い出すんだろうなぁと、思います。
おもいだせますように。
おわり
今の気分
本番がおわりました!
そして生活がはじまります。
本番中、私はちゃんと暮らしをすることができない。
だいすきな、暮らし、がないがしろになります。不器用で。両立ができないから。
演劇が大好きだけど、暮らしもちゃんとしたいです。
明日からは、今日までの余韻にひたりつつ、その蜜を吸いながら、ちゃんと暮らしをしたいです。大切にしたい。
それが、私にとっては自分が自分と過ごすことです。