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生徒一人一人に響くヨガの伝え方:確実な共通点での方向指示


こんにちは!

「手を挙げましょう」
「右の方向に〜をしましょう」
と指示をしても

  • 思った方向と逆に動かれてしまう

  • 生徒さんが一瞬考えるような表情を見せる

そんな経験がある方も多いのでは?

今回は、ヨガインストラクターとして重要な
「生徒さんとの共通認識作り」について、
特に空間認識の観点からお話しします。

私の視点と生徒さんの視点のギャップ

ヨガのポーズを伝える際、
私たちインストラクターは
生徒さんの視点に立って考える必要があります。
しかし、この当たり前に思える作業が、
実は想像以上に難しいものなのです。

私が新人インストラクターだった頃、
ある重要な気づきを得ました。

「手を挙げてください」という単純な指示でさえ、
生徒さんの体勢によって全く違う動きになることがあったのです。

視点の違いが生む混乱

立位では比較的シンプルな「手を挙げる」という動作も、
仰向けの状態では状況が大きく変わります。

生徒さんは
「天井方向に手を伸ばすべきか」
「頭の向こう側に伸ばすべきか」
迷ってしまうことがあります。
これは、私たちが当たり前に思っている指示が、
実は様々な解釈を生む可能性があることを示しています。

さらに、ねじりのポーズになると状況はより複雑になります。
インストラクターから見た左右と、
生徒さんから見た左右は逆になることはもちろん
そこに体のねじりが加わることで
方向感覚はより一層混乱しやすくなります。
また、インストラクション自体も難易度が上がります。

共通の目印:「見えてるもの、全てが私とあなたの共通点」

この問題を解決する最も効果的な方法は、
教室内の固定物を目印として活用することです。

右や左、上や下
方向を支持する言葉は的確で正確です。

しかし、ヨガを日々練習されている方なら
逆転した時、どちらが上だか後だか
方向感覚が混乱する感覚が理解できるかと思います。

そこで、私は
「見えてるもの、全てが私とあなたの共通点」
を合言葉に、方向指示を行っています。

窓や壁、入口といった、
誰の目にも明らかな目印を使うことで、
指示は格段に分かりやすくなります。


実際の指示の例を見てみましょう:

効果的な指示の具体例:

  • 「窓側の手を天井に向かって伸ばしてください」

  • 「入口がある方向に体を向けてください」

  • 「大きな木が見える窓の方向にねじっていきます」

このように、誰もが認識できる固定の目印を使うことで、
指示が明確になり、生徒さんの混乱を防ぐことができます。


クラス準備段階での実践

効果的な指導のために、クラスの準備段階で以下のようなチェックを行うことをお勧めします:

1. 教室の特徴を把握する

実際に教室内を歩き回り、
生徒さんから見える景色や光の入り方、
特徴的な建築物や設備などをチェックします。

これらは全て、指示を出す際の貴重な目印となります。

2. 生徒さんの視点を体験する

実際に生徒さんが使うマットの位置に座り、
様々なポーズをとってみましょう。
そうすることで、
・それぞれの体勢からどの目印が見えやすいのか
・どの方向の指示が分かりやすいのか
を身をもって理解することができます。

3.生徒さんに自然に共通点を紹介する

生徒さんと対面した際に
「この窓から見える景色が綺麗なんですよ」
「陽の光が眩しいのでカーテンを閉めますね」
など、
ナチュラルな会話の中で
指示に使えそうな目印はここにある
と伝えておくことで、
レッスンが開始した時には
生徒さん自身もその共通項を既に認識できているはずです。


まとめ:「見えてるものから始めよう」

生徒さんに分かりやすい指導をするために最も大切なのは、
「見えているもの」から始めることです。

誰もが確認できる共通の目印を使うことで、
指示は明確になり、
生徒さんは安心してポーズに集中することができます。

固定の目印を活用し、
生徒さんの視点に立った指導を心がけることで、
クラスの質は自然と向上していきます。

このような丁寧な準備と実践を重ねることで、
生徒さん一人一人に
より良いヨガの体験を提供することができるのです。

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あかね//ヨガインストラクション研究室-失敗から学んだ、伝え方のヒント-
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