
ほめられると心が動く!
「先生、なんか上手くなったね!」
月初めのお稽古で、五年生の生徒さんが、新しいお手本を見るなり、ほめてくれました。
実は、お手本を書きながら
「あれ?上達してるかも!」
と自分でも何となく手ごたえがあったので
「あー、やっぱり、子どもたちも、わかるんだ!」
と、上達を確信しました。だからと言って、今までのお手本がダメだったということではありませんので、ご安心下さい。
上達と言っても字の形や、筆遣いは、何も変わりありませんが、自分の字も悪くないと思えるようになり、そういう、前向きな気持ちのおかげで、それまで真面目で教科書通りだったお手本に、明るさが出たと感じています。
それを、感じとってくれる生徒さんもすごいと思います。
そして、言葉で伝えられると、心がウキウキしました。ほめられるって、うれしい!
お稽古で大切にしていることが一つあります。それは「良いところを見つけて、具体的な言葉にして、ほめる」ことです。
何か一つ、注意してほしいことがあるときは、先にほめて、後から、ここを直すとさらに良くなるよ!と、ネガティブな言葉をなるべく使わず、指導しています。
そうすると、お子さま方の、次へのモチベーションがアップし、次第に自分で考えて書くようになります。
長くお稽古している生徒さんになりますと、上手く出来た点、修正すべき点を自分で見つけることが出来ます。
つまり、自主的に上達の道筋を見つけられるのです。
バレーボールの益子直美さんは、怒らない大会を主催していいるそうです。怒った指導者が逆に注意されるというルールです。
益子さんは、怒って指導することで、選手の心が育たないと指摘しています。益子直美さん自身も選手時代、失敗することを怖れてチャレンジを避けていたそうです。
怒る行為は、指導者の指導力不足を補う行為だと思います。
上手く出来ない事に心をとらわれてしまうお子さまもいます。お子さまの性格にもよりますが、真面目なお子さまほど、そういう傾向があるように思います。
そんな時は、直ぐに出来た事は直ぐに忘れる。時間をかけて覚えた事は絶対忘れないよ。とお声がけし、より一層ほめるようにしています。
ほめられるとうれしい。習字に行くとほめられる!と、思って頂けると、いいなと思います。
※ 2021年2月 教室だより第70号