デザイナーの初回ヒアリング準備に生成AIを活用してみる
こんにちは!株式会社Rabeeのデザイナーのakaneです。
最近は、Web制作においてAIを活用できるポイントについて考えています。Webデザイナーの目線から、今回は「クライアントとの初回ヒアリング」の準備に焦点を当てて、AI活用の方向性をいくつか紹介してみます。
※初心者のため、最適な使い方をできていない部分も多々あると思います。アドバイスお待ちしております!
はじめに
クライアントワークにおいて一番緊張するのが、初回の打ち合わせ。初っ端で大きな失敗をしてしまわないか、見当外れなことばかり言ってしまわないか、私はいつもドキドキしながら準備をして臨んでいます。
今回は、そんな不安をAIによって軽減するためのコツを考えてみました!ぜひ最後までご覧いただけると嬉しいです。
ちなみに、初回ヒアリングのポイントは、弊社・Rabeeのmayukiさんもnoteにまとめてくれています。こちらもぜひ見てみてください🐑
初回ヒアリングは、なぜ緊張するのか?
さまざまなミーティングの中でも、とくに「初回」のヒアリングが緊張するのはなぜでしょうか?要因を考えてみると、大きく以下の2つに分けられそうです。
お互いのキャラクター(性格・人柄)をまだ知らないから
該当の分野に対する知識が十分でないから
今回の主題は、2つ目の「該当の分野に対する知識不足」から来る緊張へのアプローチです。なぜミーティングでドキドキするのか?と自分を振り返ると、それって「うまく答えられなくて、信頼を失ったらどうしよう」という不安があるから。
つまり、どんな質問が飛んできても、うまく答えられるぞ!という自信さえ持っていれば、ある程度の緊張は解消できるかも。ということで今回は、初回ヒアリング前の下準備にAIを活用して、自信を少しアップさせる方法を考えてみます。
この記事で紹介しているAIツール
最初に、本文中で使っているAIツールをまとめて掲載します。
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AI活用①|概要をざっくり調べる
それでは、今回は「三重県の観光ポータルサイトを作りたい」と仮定して、初回ヒアリングの準備を進めてみましょう。
まずは基礎知識の学習からスタートします。私は観光ポータルサイトについてまったく知識がないので、「Felo」を使って調べてみます。
Feloは、出典を示しながら概要をまとめてくれるAI検索エンジン。ざっくりとした質問を投げかけるだけで、出典URLと一緒に情報を返してくれます。
「観光ポータルサイトって何ですか?」と入力しただけで、上記のように、主な機能やメリットが出力されました。
また、追加で気になったので「観光ポータルサイトを作るメリットって何?Instagramで広報アカウントを作るだけじゃダメなの?」と尋ねてみました。これも、良い感じに構造化されて返ってきます。
このように検索を何度か繰り返すことで、基礎的な知識がざっくりインプットできます。
余談になりますが、Feloにはプレゼンテーション(スライド)の生成機能もあります。せっかくなので、上記の回答をスライドにして閲覧してみます。
プレゼンテーションとしてのクオリティは決して高いわけではないですが、なんとなくの形が提示されるだけでも、章立てやストーリーの流れが想像しやすくなりますね。
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AI活用②|ちょっと詳しい内容を調べる
少し踏み込んだ内容を調べたくなってきたら、資料を読み込むサポートとして「NotebookLM」を使ってみます。
NotebookLMは、Googleが開発したAIツール。文書の要約や情報の整理を手伝ってくれるもので、ファイル形式はPDF、テキスト、音声など一通り対応しており、Google Driveからのアップロードも可能です(機密情報は読み込ませないようにしましょう)。
たとえばここに、長文のPDF資料を読み込ませてみます。すると以下のように、NotebookLMは、資料から出典を示しながら概要を回答してくれます。
もちろん、議論を理解するためには全文を自分で読み込むことがマストですが、AIをサポートとして用いることで、自分が探すべき情報が把握しやすくなりますね。
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AI活用③|ヒアリングシートをつくる
ある程度の情報がそろってきたら、ヒアリングシートをつくります。会社ごとに基本のヒアリングシートはあると思いますが、せっかくなので、CSV形式のたたき台もFeloに作ってもらいました。
CSV形式で出力したものをスプレッドシートに貼り付けました。ここから、先ほどまでの調査内容を元に内容を付け足したり、編集したりすると、良い感じになりそう。
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AI活用④|先方の回答をシミュレーションする
ヒアリングシートをつくったら、事前に回答を予想・記入しておくことで、ミーティングでの緊張を緩和できる気がします。この工程でも、AIに質問を投げかけながら進めてみます。
私は普段、日本語の文章生成や会話は「Claude」を使っています。ためしに、以下のような文章を入力してみました。
ざっくりとしたお願いでも、1回のやりとりで的確な出力が返ってきます。今回は、プロジェクトで重視したい点を5つ挙げてくれました。
実際のヒアリングを想像してみると、たとえば挙げられた項目の中に「地図機能」とありますが、これって本当に初期リリースの段階で必要ですか?という相談が必要そうですよね。Googleマップに遷移できればユーザーの体験として十分足りていて、地図の開発は不要かもしれない。
AIとやりとりしながら、クライアントと相談すべきポイントを掴めるようになっていきたいところです(頑張ります)。
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AI活用⑤|ワイヤーフレームをつくる
サイトマップとワイヤーフレームも、せっかくなのでAIツールを使って作ってみます。目に見えるたたき台を準備しておくと、ヒアリングもスムーズに進む気がします。
使うツールは「Relume」。サイトマップもワイヤーフレームも一瞬で生成してくれるサービスです。今回は、プロンプトとして以下を入力しました。
「旅行」のワードに引っ張られてしまった感は否めませんが、ナビゲーションからフッターまで、一通りの内容を含めたサイトマップが生成されます。
続けて、ワイヤーフレームも一瞬で生成可能。以下のようなワイヤーフレームが出力されました。
生成したワイヤーフレームは、プラグインを使うことでFigmaにもエクスポートできます。非常にスピーディー。Local Stylesへのスタイル登録もやってくれるし、SPサイズ対応もしてくれます。
個人的には、AIの生成物を先に見ると思考が働かなくなる感覚もあるので、サイトマップ(構成)は自分で作成して、ワイヤーのたたき台(構成を視覚的に分かりやすくしたもの)だけをRelumeに作ってもらう流れが好きかもしれません。
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さいごに
今回は、AIを活用しながらヒアリングの準備を進める流れを紹介してみました。リサーチ、思考の整理、会話の練習など、AIのおかげで自分ひとりでもトレーニングできることが増えてきていますね。
もっとナイスなAI活用方法についても、ぜひアドバイスいただけると嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました🍵