置いてけぼりのホリディ 11月16日
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」観た。
今月毎日映画を観てるけど1番良かった。
10月分を含めてもここ最近で1番良かった。
つくづく思うけど、面白い映画と良い映画って必ずしも同居しない。
それぞれがそれぞれの問題を抱えながら迎えるクリスマス。人間なんてそれぞれ人に言いたくない過去を抱えてるもんで、それを明かしてもいいと思える人と出会えるかどうか。嫌いな人が嫌いなままなのは、嫌いであるが故にその人のことを理解しようとしないから。
寄宿学校の生徒タリーと嫌われ者のハナム先生は、互いを最悪な人だと思っていながらクリスマスを共に過ごすことになる。観客側の視点からするとタリーも先生も、本当にかなり嫌なキャラクターで、どちらにも感情移入できないような不安を覚える。
タリーの方はまだ若者であるが故の未熟さで説明がつくけど、先生の方はもう凄い。先生としてもかなり最悪な上に、シンプルに意地が悪い。
こんな2人と、食堂で働くメアリーがクリスマスを過ごすことになる。
三者三葉の問題を抱えながら、少しずつ時間をかけて互いを理解していく映画。
なんだろうね。あの、休日とかに学校の先生に会った時のあの感じというか(分かった風に書いてるけどそんな場面に遭遇したことは無い)普段接してる大人の知らない一面を見た時の感じを体験できる。
タリーが自業自得で脱臼して病院に行くシーンとかで特にそれを感じた。ハナム先生のキャラクターに変化は無いものの、少し慌てた様子を見れただけで好感度が上がってた。
個人的に1番良かったシーンは、タリーが抗うつ剤をハナム先生に見られちゃう所。
タリーは慌てて誤魔化したけど、ハナム先生も同じ薬を飲んでたってすぐ分かるあのシーン。あれめちゃくちゃ良い。タリーとハナム先生が徐々に互いを理解していくんだけど、共感する様はあんまり無かった。
そんな中で、ハナム先生からタリーに共感する余地が描かれていたのが凄く良くて、あそこからまた一段階、先生が一生徒としてではなく人間を見るようになった気がする。
タリーも嫌な生徒として描かれているけど、要所要所で優しさが描かれていて、韓国人の生徒が漏らしちゃったのを他の生徒にバレないように隠してあげたり、クリスマスパーティでいい感じの子と一緒に過ごしてたのに、メアリーのことを心配して優先させたり、咄嗟の判断でハナム先生を庇ったりとか。きっと根の性格は優しいんだけど、家庭環境がああだから嫌われるような言動をするんだと思う。自分を理解されることへの恐怖とそれに対する防衛術。
最後の二人の会話
この映画全てを踏まえた上での、超シンプルな台詞。
こんなにもシンプルな台詞なのに、自分だったと考えたら一生忘れられないような場面。
あのシーンのためにこの映画の全てがあるように思える。
本当にシンプルな台詞なのに泣ける。
ぶっちゃけめちゃくちゃ地味な映画。
派手な展開もないし、明確に二人の関係性が進展していく訳でもない。じっくりじっくり、互いを理解していくことで、積み重なった良さが最後に集約されている。
オススメされなかったら絶対観なかっただろうし、僕も人に上手く勧められる自信はないけど、本当に色んな人に観て欲しい映画。めちゃくちゃ良かったです。
いい映画観て一日が始まったので、もうなんでもいいや。
そう投げやりになる前に、焼きリンゴとココアで朝食。
凄いことをしているかもしれない。
今日は珍しく予定があるので、その予定まで読書をする。凄いことをしているかもしれない。
次書くコント脚本のアイディア、なんとか思い浮かんだ。
面白いかどうかは当日次第。芸人ってスゴすぎる。
階段ビクビク六丁目を今知った。面白すぎる。