日本を救ってくれた人の言葉
今日はスリランカの初代大統領JRジャヤワルダナ氏のお誕生日です。
彼は感動的なスピーチで戦後の日本を分割統治の危機から救ってくれました。
日本を罰するのは当然という空気の中、満場一致で決まりかけていたことをたった1人の意見で覆せたのは奇跡ですね。
そのスピーチが、日本に損害賠償を求める権利を持つ国の代表(被害者)によるスピーチだったから。
そして彼が引用したのがブッダの言葉だったから。
そのことも説得力があったでしょう。
何より、ブッダの言葉の内容そのものが、その場にいた人たちの心を揺さぶったのだと思います。
「この世では、憎しみを返しても、憎しみは消えない。
憎しみを消せるのは愛だけである」
自分に損害を与えて苦しめた相手を許すのは、人間にとって最も難しく、
最も気高い行為ではないでしょうか。
それを進んでやろうとする姿勢に同席者は畏敬の念を抱いたのかもしれません。
当時の首相であった吉田茂氏は「日本人はこの大恩を絶対に忘れてはいけない」と言ったそうですが、忘れるどころか十分に伝えられてさえいないのではないでしょうか。
彼がいなければ、日本は四分割され、それぞれアメリカ、イギリス、ロシア、中国に統治されるはずだったと言います。ゾッとしますね。
そうなっていたら、私たちが当然のように楽しんでいる日本のポップカルチャーは生まれていなかっただろうし、日本語さえ一部の人しか話せない状態になっていたかもしれません。
日本の運命が分かれる瞬間にジャヤワルダナ氏がいてくださったこと、日本のために発言してもらえたこと。その奇跡と幸運に感謝しています。