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第14回 当たり前に食べてるけど…オカン・社長・村ちゃんの考え

お肉って美味しい。

すごい好き。

ステーキとかすごい好き。赤身。
ステーキは特別な日やけど、お肉ってほぼ
毎日食べてる。
当たり前のように毎日。
でもなんかずっと違和感があって、、

「生き物ってことを忘れてるな」って思うことがある。

美味しくなかったら残すことがあったり。
ここ最近食に関するドキュメンタリー映画を
結構観てて、
「フード・インク」とか「おいしいコーヒーの真実」とか。
そこで、衝撃的な映像があって。
牛に大量に安い食料を食べさせて、効率がいいから牛舎にパンパンに詰めて、
殺すときは逃げにくいように脚の骨を
折ったりしてた。
そうすることで、
低コストで大量に安い肉が生まれる。
鶏肉は胸肉が人気やからって、餌に薬を混ぜて、
胸がアホみたいに大きくさせられて自分で立てない鶏も写ってた。
大量に。

スーパー行ったら安い肉買うけど、ホンマにそれでいいのかな?
ファストフード・コンビニのお肉…買っていいのかな?って思った。

あと、僕は動物が好き。
小学校の頃の夢は獣医さんやったし、今でもこの業界やってなかったら動物園の飼育員さんになりたかったなって思ってる。

だからこそ、当たり前のようにお肉食べてるの
変やなって。

で、「と殺したい」って思った。

すんごい嫌やけど、やらないのは卑怯やと。
動物殺すのってすごい大変やと思う、精神的に。
それを人に任せて、嫌なことから目を背けて、
スーパーに並べられたお肉見て、

「生き物」じゃなくて「食べ物」やと思っちゃう自分。

よくないな〜って。情けないな〜って。僕はね。

てなことで、
今回は「食肉加工センターに行こうと思う。」
って村ちゃんに相談しました。

※今回のことも色んな考え方があると思うので…一緒に考えながら読んでください



【2020年7月中旬電話】
(今回も介助のえりさんが電話つなぎ&通訳)


陽)「…てなわけで、加古川食肉加工センターに
   行こうと思うねん。
   そこは見学しかできないけど、
   本当は自分でと殺したい。
   すっごい嫌やからこそ。
   もし自分で殺せなかったら、
   僕はもう肉食べる資格ないと思ってる。
   そんな覚悟でやりたい。
   やけど、
   社長が『お母さんと村ちゃんに相談した?
   こばやんの心・頭が変にならないかが心配』

   って。
   だから許可が欲しいって意味で
   村ちゃんに聞きたい。
   オカンは『陽平がやりたいことなら
   なんでも経験!行っておいで!
』って。
   村ちゃんどう思う?」

村)「あなたは今あなたの一番近くにおる、
   社長さんが忠告してくれてるから、
   そこはよく考えた方がええと思うよ

陽)「社長に言われてることに関しては
   リスクでしかない。
   その観点なら、
   しないのがベストやと思うけど、
   僕はそのリスクを覚悟で言ってるよ。
   それで心に深い傷作るようなら、
   食べる資格ないと思う。卑怯。

   そんな人が村長にはなれへんと思う。」

村)「俺ははそれでも
   お肉を食べてかめへんと思うよ。
   人それぞれ役割があって生きてるんやから
   陽平の心がけは素晴らしいと思うけど、
   そういうことは学ぶだけで
   終わっといた方がええと思うけどね。

   俺はもっと陽平くんには
   やるべきことある思うよ」

陽)「納得いってないけど。
   やるべきことってなに?」

村)「人間関係。
   人と人をつなぐこと。
   陽平くんしかできないことやと思う」

陽)「具体的にどういうこと?」

村)「僕らの村を作ろうとしてるわけでしょ?
   牛さんとか豚さんを殺してる人と
   直接繋がっとったら、
   陽平くんが殺さんでもええ。

   その人たちと繋がっとったら、
   もしかしたら、
   その人たちも一緒に村を作りたいって
   言ってくれるかもしれへんし。
   お肉だけ安く卸してくれるかもしれん」

陽)「言わずもがなやけど、
   僕は村の食料のために、技術を学ぶために
   したいわけじゃないよ。

   お肉と加工業者に敬意がない人らには、
   お肉は必要ないんじゃないかって。
   僕はそう思う。」

村)「さっきも言うたように陽平くんの気持ちは
   良い心がけやと思うけど
   別に陽平くんがせんでも
   殺してくれる人はおるわけやから」

陽)「もちろん殺したいわけでもないからね。
   すっごい嫌やし。
   ただ、やらないとその人らの気持ちは
   わからへんのちゃうかな
と思って」

村)「それは多分、その人たちは
   殺した豚さんとか牛さんが
   美味しく食べられる環境があったら
   それでええと思ってるんと違うかな

陽)「生き物やで?僕みたいに忘れちゃう人って
   生き物を食べる資格あるんかなって思って」

村)「俺が引っかかってるのは、
   衣食住あるわけや。
   一生懸命服を作ってる人とか
   家を建ててる人とかは
   陽平くんはどういう気持ちでおるんかな?
   僕は服を作ってくれてるとか
   今は食だけのこと言うてるけど、
   衣と住はそう思わへんのかな?」

陽)「うーん……思わへん」

村)「なんで?」

陽)「知らんってのがあるんやろなぁ。
   こう思ったのも映画見たり、
   人の話聞いたりして思ったことやし。
   僕はみんなにそうしろとは全く思わへん。
   自分がこんな感じなのが嫌やねん。」

村)「俺が引っかかってるのは、
   陽平くんがその現場に
   行こうとしてるのが引っかかってる」

陽)「僕が身を呈してじゃないけど、
   動物好きやからこそ体験して、
   それをnoteとか何かで発信したいなと。
   そしたら、みんな嫌なシーン見ずに
   お肉を大事に食べれるようになったりするかも
   しれないし。
   一番良くないのは、感謝できてないこと。
   もっと感謝したい。」

村)「だから、そこまでわかってるなら、
   せんでええんとちゃう?
   分からへん人なら、行ってこいって
   言うと思う。
   しつこいようやけど、
   陽平がその現場に行く必要あるの?」

陽)「逆にそれを見ない方がいい理由があるの?」

村)「社長と一緒やで」

陽)「頭おかしくなるんちゃうかって?
   僕が?そんなことあるか!?」

村)「あると思うよ」

陽)「…あるか。いや、うーん。…まぁあるか。」

村)「好きな生き物が目の前で殺されるねんで。
   美味しくいただけたらええんちゃうか。
   ショックで食べられなくなった時に、
   生産者さんとか、
   その気持ちを共有した友達は悲しむよ」

陽)「うーん。
   確か牛はハンマーで脳震盪起こさせてから
   殺すんやけど、、実際は僕はそれ
   できひんと思ってる。てか分かってる。」

村)「豚さんとか牛さんを見る目が違ってくる。
   可愛いと思って見てるけど、
   殺すところ見たら、
   下手すると見るのも辛くなるかもしれへん。
   それぐらい陽平くんは優しいから。
   感謝の気持ちが強くなりすぎるかも

陽)「そうかなぁ。と殺を見ることに限定せず、
   ちょっと勉強の方向性変えてみようかな。」

村)「今日のテーマは今の世間で、
   コロナの問題で、
   当たり前のことが当たり前じゃなく
   なっていって、色んなこと考え直して生きて
   いってるとこ
やから、
   今日のテーマは良かったと思うよ」


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聞いたら
牛ってすっごい感情が豊かで、
特に母性、子供への愛が深いそう。
だから牛に子供が生まれて引き離されると、

「悲し〜い」って気持ちがすごい強いみたいで、

それがずっと残る。
死ぬ時まで。

そんな悲しい気持ちのまま死んだ牛を、
僕らが食べてる。
本当にその肉美味しいのかな。

人間に置き換えて考えると簡単で。

すっごい安いご飯ばっか食べさせられて、
太るために運動もできず、
綺麗な脂肪にするために失明させられたり、
掃除もできてないから匂いもキツくて、
それによって生産者さんも不機嫌で、
雑に扱われて、雑に殺される。

そんな人間のお肉美味いか?ってなるよね。

そりゃ元気で「毎日たのしー!」
「メシうまー!」言うてるやつを、
本人が気づかない内に殺す方が、

美味しいよね。絶対。

牛もそうやって優しく丁寧に育てられている
ところがいくつもあって。
そういうところから買いたい。 
社長にお願いして、まずはそういう
生産者さんに会いに行って、
話を聞いてみようと思う。

まずは。


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