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やわらかな仏教のことば 3/1250 「非時(ひじ)」

正しくない時,ふさわしくない時のこと.
(中略)仏教では,特に食事をするにふさわしくない時をいい,正午から翌日の未明までとされる.
また,〈非時食〉の略語.戒律に反した非時の食物,また非時に食事をすること.

岩波  仏教辞典  第二版

仏教辞典を繰っていて、わたしもはじめて知った言葉です。
一般的な辞書においては、上記「仏教では……」の意味しか載っていないものも多く見受けられました。

ですが今回は元の意味、
「ふさわしくない時」そして「ふさわしい時を待つ」について綴ってみたいと思います。

物事に「ふさわしくない時」があることについては、やはりみなさんも実感しているのではないでしょうか。

どれだけ強く願っていても、
どれだけ努力を重ねていても、扉が開かない時。

そうした時、
折れてしまうのではなく、抗わずに「寝かせて」みます。「発酵」させるのです。

ただ置いておく訳ではありません。

きちんと手は入れる。
見守る。
「それ」が完成したかたちを思い浮かべる。

こうしたことが「発酵」と「腐敗」の分かれ目になるのではないでしょうか。

非時の「今」ではない、
もっと大輪の花を咲かせる時を待って、
積極的に「寝かせ」ましょう。「発酵」させましょう。

それは、「何もしていない」とはまったく違うのですから。

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