手の甲の知らせと、その返信
手の甲に傷ができた
いつからあるのかは知らない
ある日見つけて、
「意外と治りが遅い、これが加齢か」などとぼんやり思っていた
その後、簡単な手術を受けた
「簡単」と言っても当然傷は残る、
正確に言えば、残っている「はず」
何せ身体の中のこと、わたしから見えるはずもない
そこではっと気づかされる
いつからあるかわからない、手の甲の傷
けれどだんだんと修復されていく赤い跡
これはきっと、体内でも同じ経過を辿っているに違いない
手術終了と同時に、傷も消えてなくなる訳ではないのだ
「あなた」のおかげで、
「いつも通り」に思える身体がそうでないこと、いつも以上に厭わなければならないことがわかる
ありがとう、
これを知らせるためにわかりやすい場所にいてくれたのかもしれない「あなた」へ