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やわらかな仏教のことば

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やわらかな仏教のことば  6/1250  「空海(くうかい)」②/同行(どうぎょう)」

やわらかな仏教のことば 6/1250 「空海(くうかい)」②/同行(どうぎょう)」

一番から十一番までだが、実際に八十八箇所を歩いたことがある。

誰かと一緒の区間。
ひとりの区間。
それぞれに得るものがあった。

ひとりの時。
それは自分の心、そして自分の身体と向き合う時。

「限界」と感じられる中で、それでも右足を出し、左足を出す。
ただこれを繰り返してさえいれば、必ず目的地には着く。
その一心で、遠くを見据えるのではなく足元を見ていた。

千里の道も一歩から、をこれほど実感

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やわらかな仏教のことば  5/1250  「空海(くうかい)」①

やわらかな仏教のことば 5/1250 「空海(くうかい)」①

今日は「やわらかな仏教のことば」を書くきっかけになった、お大師さまのお誕生日。
生誕1250年にあたります。
各地では、今もお大師さまを慕う人々によって法要が営まれました。

実は我が家は宗派としては浄土真宗、
にもかかわらず1番唱えているのは「南無大師遍照金剛」で間違いありません。
それほど「お大師さん」は、ある意味で「身近な」存在でした。

恐らく身近に感じているのはわたしだけではないでしょう

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やわらかな仏教のことば  4/1250  「貧者の一灯(ひんじゃのいっとう)」

やわらかな仏教のことば 4/1250 「貧者の一灯(ひんじゃのいっとう)」

今できる精一杯を差し出す  ということの尊さ

持てる物のすべてを手渡すのはきっと難しいが
けれど行動ならば、「その時の最善」を尽くすことができるかもしれない

では「その時の最善を尽くす」とは何だろうか

言い換えると「今できることをやる」ということなのかもしれない

まずは

①今できること/やるべきこと/やりたいことをきちんと把握する

その後に

②それらを実行する(熱を持って進むとき/淡

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やわらかな仏教のことば 3/1250  「非時(ひじ)」

やわらかな仏教のことば 3/1250 「非時(ひじ)」

仏教辞典を繰っていて、わたしもはじめて知った言葉です。
一般的な辞書においては、上記「仏教では……」の意味しか載っていないものも多く見受けられました。

ですが今回は元の意味、
「ふさわしくない時」そして「ふさわしい時を待つ」について綴ってみたいと思います。

物事に「ふさわしくない時」があることについては、やはりみなさんも実感しているのではないでしょうか。

どれだけ強く願っていても、
どれだけ

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やわらかな仏教のことば  2/1250 「四天王寺(してんのうじ)②」

やわらかな仏教のことば 2/1250 「四天王寺(してんのうじ)②」

①はこちら↓

四天王寺を訪れたのは、「皇族・権臣」ばかりではありません。
仏教各宗派の開祖たちが、聖徳太子を慕いこの地に足を運んでいます。

その証のように、今も境内各所には開祖のお像が立って(お祀りされて)いるのです。

大師堂には空海(敬称略、以下同様)
一乗院には最澄
見真堂横には親鸞
阿弥陀堂そばには法然……

歴史上の巨人たちが「日本仏法開祖」の下に集い、そしてそれぞれを慕うひとたちが

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やわらかな仏教のことば  1/1250 「四天王寺(してんのうじ)①」

やわらかな仏教のことば 1/1250 「四天王寺(してんのうじ)①」

今や略された形の、「天王寺」の方が有名でしょうか。

日本で最も古い、国が建てたお寺である四天王寺。
建物の「新しさ」に勘違いしそうになりますが、1400年の長きにわたってこの地を見守ってくださっています。

1000年以上も経てば、地形も当時のままではありません。
実際、この場所から海を眺めることができました。
海の近くに建てられた四天王寺は、各国の使節をもてなす場ともなっていたようです。

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やわらかな仏教のことば  0/1250  「はじめに」

やわらかな仏教のことば 0/1250 「はじめに」

良くしていただいている某寺のご住職が、
弘法大師御誕生1250年をお祝いして、
1年で1250回「あること」をなさると教えてくださいました。

それを伺って、

わたしも何かやります!

と反射的に答えたのです。

1年で1250回。
「1日あたり3回」でも追いつかない回数、ということに気づいた時、ご住職のすごさを改めて実感しました。

そして、自分自身は結局どういうかたちでお祝いをさせていただく

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