失恋したので貴船神社に行く
失恋した。
それも結構トラウマになるレベルの振られ方をしたので、気持ちを入れ替えたくて縁結びの神社にでも行ってみようかと思った。
近場ならお初天神(露天神社)があるのだが、できればもう少し遠い方が気分転換になりそうなので京都がいい。
とはいえ暑さに弱い者にとって夏の京都は辛い。
盆地という地理的な理由に加えて景観保護のため日光を遮るような高い建築物がないためとにかく暑いのだ。
観光客が多くて人口密度が高いのも辛い。
なら貴船神社がいいんじゃないか。自然豊かで市街地より涼しいイメージがある。
貴船神社へは叡山電車の貴船口からバスが出ている。
しかし、人でパンパンのバスに乗りたくないので歩いて向かう。
徒歩だと30分くらい。まあ歩けないほどではない。
生い茂る木々のおかげで多少涼しく、川の流れる音を聞きながら歩いていくのは身を清められるように感じられて良かった。
むしろ到着したとたん、人が多すぎてげんなりしてしまった。
お参り列に並ぶ時間がない人向けに少し離れたところにミニ賽銭箱がおいてあるぐらいだ。
水の神様を祀っている神社だからか水占おみくじというのがあって、水につけると文字が浮かびあがってくる。
インバウンド向けに翻訳用のQRコードまでついていてすごい。
恋愛運は心やすらかに待っていたら大丈夫といったことが書かれていて、そうだったらいいけどなあと思いながらくくりつけた。
七夕の短冊が飾られていて境内は華やかだった。
社務所に売られているお守りの種類が豊富で面白い。
なんかオリジナルグッズもいっぱいある。
一番手前にある本宮から結社、奥宮とまわっていくものらしい。
奥に進むほど人が少なくなっていって聖域という雰囲気が強くなる。
結社に縁結びの神様、磐長姫が祀られているそうだ。
磐長姫の名前には聞き覚えがある。
木花咲耶姫がプロポーズされた際父親が姉の磐長姫も一緒に勧めたのに容姿が気に入らなくて断られたという話を聞いたことがある。
気の毒すぎるだろう、磐長姫。
一応父親側にも理由はあったとはいえ、妹の結婚に姉を添えるなよ…。
その上顔で振られるなんてあんまりだ。
それなのに人の良縁を取り持つ神になろうなんて聖人すぎるだろう磐長姫。
いや、実際神様なんだけれど。
自分だったら悪霊になりそう。
結社の隣には願い事を書いた紙を細長く折って結びつけるところがあって(結び文)、これは昔ススキかなにか(記憶が曖昧)を結びつけていたのの代わりらしい。
次こそは人の心がある人を好きになれますようにと願いをこめて結ぶ。
ここでちょっと困ったのはご飯を食べる場所だ。
予約がないと入れなかったり、価格帯的に入りづらかったり、気軽に入れそうなところは混んでいて苦労した。
事前に予約するか、食べてから来た方がいいかもしれない。
移動中に一つの根から二つの幹に別れている御神木を見つけた。
「良縁」の象徴という感じだ。御神木って実際に生きているからか、すごく存在感というかパワーみたいなものが伝わってくるように思えて好きだ。
最後は奥宮。
和泉式部が恋に悩んでお参りした時に渡ったと言われる橋を渡っていく。
貴船の水の神様は、国を生んだイザナミが最後に生んだ火の神から派生して生まれた神様らしい。
水といえば「流れる水は腐らない」という言葉が好きで、常々水のように生きていきたいと思っていたことをこのタイミングでふと思い出した。
相手にされた仕打ちをことあるごとに反芻してしまっていたので、貴船の川みたいに綺麗に流してしまいたいなと思う。
これから楽しいことをたくさんしていこう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?