"空想日記"⚡️no.40
〜雷山裏最下層 玄棲洞(げんせいどう)
緑玄『……何じゃ!?
何か、落ちてくるのぉ?』
緑玄『身投げかぁ!?……相変わらず人間は
ろくな事をせんのぉ…この緑玄(ろうげん)の
眠りの邪魔をしおって…』
そう言うと、かの者は
落ちてくる男に向かって手をかざし
となえる
緑玄『【陣】じん』
すると男は
目に見えない薄い膜に、優しく包まれ
ゆっくりと地についた。
緑玄『なんと!
こやつ…まだ息があるではないか!
…本当に人間か?!』
かの者が手をふりかざすと
男の着る服は全て引き裂かれた!
緑玄『…細っこい体だのぉ…うわっ!?なんだ!?
胸がぐちゃぐちゃじゃないか……痛々しい…。』
『仕方ない…あまり、使いたくはないが…』
『【浄】じょう』
かの者が、そう唱えると…男の傷口はみるみる塞がり、それまで青白かった男の体にいくらか生気が戻った。
緑玄『ほぅ、さすがは朱霍(しゅかく)の呪力!
綺麗さっぱり治ったわい!』
『ん…?痣までない…だと!?
そんな事が…
…あり得るのか!?
"浄"で消してしまったか!?
いやいや、
そんなわけがあるか!』
そう言ってかの者は、気配を探るかのように
男に手をかざした。
緑玄『 …なっ!?
やはりそうだ… こやつ…
"蓮器"(れんき)が
ひとつも満ちておらぬ……??!』
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