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"空想日記"⚡️⚡️⚡️no.122

太樹『なっ!?
   ……なんなんだ…コレは?…』

私の目の前に現れた
その、黒い円は
淵の模様を
様々な形に変えながら
ゆっくり回転をはじめた…
そして
円は徐々に大きくなり
私の身の丈と同じ
大きさになると
ピタッとその動きを止めた。
空間の歪みも
穏やかな水面のように
落ち着きはらっている。

黄龍『さぁ、人間よ…
     恐れる事はない
     王門を潜ってきなさい。』

この黒い円は、
王門(おうもん)というのか…
歪みの向こう側から
聞こえてくる
地を震わすような、その声に
何故か私はあらがう事が出来なかった。

気付けば右手は
王門をすり抜けていた。

はじめに感じたのは
優しく包み込むような
温かさだった。

私はこの温かさを知っている…

王門を潜り抜けると
そこは、
先程いた洞窟と
同じ場所だった…

高い天井からは
つらら状に垂れ下がるつらら石
洞窟の真ん中に
大きな柱がドンと支えている
神秘的な空間…

だけど……

先程までとは
あきらかに、何かが違う…

『ガラァゴォン…』


雷鐘の音!?
私は慌てて
後ろを振り向く
そこにあったはずの
王門は消えて無くなっていた…







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