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"空想日記"⚡️⚡️⚡️no.117

幸杜『見える範囲では堕鬼は二体だが
   まだ、増える可能性がある…
          2人とも帰るなら今のうちだ。』

初、爽一『…………………。』

2人は目線を逸らさず私を見ている。
彼らに後戻りをする選択肢はないようだ。

幸杜『わかった。
   爽一、初、
   よく聞いてくれ。』

爽一、初
  『はい!』

幸杜『ここから先は
   2人で一緒に行動をとるんだ。

   黄泉道に着いても
   "なき頭"から五町(約500m)以上
   距離をとった茂みで待機。
   何が起きても
   私が呼ぶまで決して
   出てくるんじゃないぞ!
   
   感覚を研ぎ澄まし
   周囲への注意も怠らないこと!
   身の危険を感じたらその場から
   全速力で退避しなさい。』

爽一、初
  『はい!』

私は初を連れて来た事を
いまさら後悔した。
堕鬼が複数相手では、
初達を庇いながら
どうこう出来る状況じゃない。
油断すれば、自分の命さえも危うい
だが今は、自分の考えの甘さに
落胆している場合ではない。

幸杜『私は、先に行く。
   さっき私が言った事をしっかり
   守ってくれ!!爽一頼むぞ!』

私は青麻の布を袂から取り出した。
鼻と口を覆い隠すようにして
布の端を頭の後できつく縛った。

そして
大きく深呼吸をして
力強く、地を蹴った。

幸杜『久しぶりの全力だ…』



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