"空想日記"⚡︎no.214
白影『ついた!
見て、あれが
黒岩遠呂智さ。』
白影さんが
指差す
そこには
黒く太い岩樹の幹が
龍のように渦を巻き
天へと伸びていた。
見上げた先は
霧でよく見えない…
どこまで続いているのだろうか…
白影『そして、
ここを
登れば"樹麟の祠"だよ。』
そう言って
登りはじめたのは
3尺(約1m)くらいの
太い杭が
螺旋状に
岩樹の木肌に
突き刺さっており
簡易的な階段になっていた。
ひょいひょいと
身軽に駆け上がる
皆をみて
私も負けじと
螺旋階段を
駆け上がっていく。
『ズガッ!!』
太樹『あっ!?』
やばい…
慣れない事はしてはダメだな…
私は杭から足を踏み外した。
『ガシッ!!』
落ちそうになる
私を
力強く
掴んだ手は
私を軽々と引っ張りあげた。
天音『あ、あに様…
気をつけて…。』
太樹『……………あっ、ありがとう。』
うわー
鈍臭いくせに
調子にのるんじゃなかった…
軽々持ち上げられたこともあり
恥ずかしくて
目が合わせられなかった。