"空想日記"⚡️no.30
天音『えっ!?…あに様…』
千 『兄様』
初 『くっ、間に合えー』
源 『太兄--ー!!!』
4人の声がいやにゆっくりに聞こえた…
わたしはこのまま死んでしまうのだと悟った。
不思議と
痛みはなかった…
ただ…わたしの胸には
悔しさがいっぱいに広がっていた…
父や母、兄弟に
迷惑をかけ生きてきた。
私は
いただいた"恩"を
返せずに
死んでしまうのだ。
太樹『何も成せなかった…』
遠のく意識の中、血相を変え駆けつける
初の姿が見えた。
こちらに向かって一生懸命手を伸ばしていたが、
その手は虚しく空をきり、
私は、
底の見えぬ
深い
深い
谷へと…
落ちていった。
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