見出し画像

"空想日記"⚡️⚡️⚡️no.124

黄龍『スーーーッ
     ハァーーーー。


   うむ。
   間違いない…
           此奴から、緑玄の匂いがする。』


声の主の吐息で
私の髪がなびく。
機嫌が良いのか
不敵な笑みを浮かべる…
口元に見えたのは
鋭く尖った牙だ…

白く光る
その大きな牙は
私の体など…
熟れた果実を頬張るかのごとく
容易く噛みちぎるであろう。

私は震えが止まらなかった…

蒼虎『よせ。
   黄龍…
           怖がらせるな。

           見ろ、可哀想に…
   震え上がっているじゃないか。』

私は頭をゆっくり右に向け
新たな声の主の方へと
目線をやる

そこにいたのは…

白と黒の縞模様の毛に覆われた
山熊5頭分くらいはあろう
大きな"虎"だった。

私は夢でも見ているのか?

それは、優美に寝そべり
こちらを見ている…

私は息を呑んだ…
意識が遠のきそうになるのを
ぐっと堪える。

すると…
大きな虎は
おもむろに立ち上がり
私の方へと
ノソノソと近づいてきた。

瑠璃色に輝く
その瞳は、映る物
全てを吸い込んでしまいそうな
透明感のある深い深い青…

あまりの美しさに
私は一瞬、恐怖に怯えていたことを忘れた。


太樹『そ…蒼虎さま…。』

口をついて出た言葉は…
黄龍に続き
またまた伝説に聞く
伍神の名だった。



いいなと思ったら応援しよう!