あの日あの時・弁当と。
10年近く、仕事場での出前弁当で・お世話になっていた中華屋さんが、4月中旬、お店を畳んだ。
10年近く、週2、3回のペースで、当たり前に食べていた弁当が食べれなくって、ランチタイムに・ポッカリした気持ちが生まれていたものの、最近は弁当を作ってきていたけど、冷たい弁当は味気ない!たまに・彩よくしてみて、見た目を華やかにしたところで、冷たい弁当というのは、致命的に食としてのパワーを失っている。
若い時に大好きだった<からあげ君レッド>は、今の私の腹を素通りする。
びっくりするくらい、流しそうめんのようにスーッと、駆け抜けていく。
若い時・あんなに好きだったのは、、何なのだろうか?・胃の中が、若い時とは、違い物質で満たされているのか?変化の意味わかってるとこあるけど、やっぱり謎だ。
ジャンクフードは好きだし、超オーガニックでもない私22!、基本・何でも美味しく食べれるのだけど、食べ物が通過するだけのコンビニ弁当の流しそうめんっぷりには、笑いが止まらない時がある。
一時、ファミマの幕の内弁当が、全て・煙なんじゃないか?と思えたことがあった。
食べれば、食べるほどに、お腹が空き、目に見えてるものが・全て、〇〇風味の物質で、骨に風が吹く感じ!!判断をふっ飛ばした、スカスカの味を憎みながらも、、、何故か、時々、、、、あのスカスカ弁当を食べたくなって、
『ああ、やはり、この幕の内には・風しか吹いていない。。。』と確認するのが、悪趣味に面白くなって、ハマった時期がある。
それを思うと、おにぎりと味噌汁の食物連鎖劇場の、、、体を温めるあの熱量。ほんとにびびる。
シンプルなほどに・おいしい、私はそちらの川よりだ。
10年間、食べ続けていた出前の弁当は、からあげ弁当、麻婆豆腐弁当、酢豚弁当、日替わり弁当のループだった。
常に76点を叩き出す、デイリーなシンプルなお弁当。写真映えなどしない配置、ただそこに食べ物は・ほかほかと存在していた。
時々、弁当の値上がりするときは、『お米の入荷が値上がりしたんですよー』とかの小さな事情を話してくれる、配達のおいちゃん、おばちゃん、お姉さん。
雨の日に傘をさして、1個570円の温かい弁当を届けてくれた。
お店を畳む理由<もぉ、うちらはコロナに負けましたわ。。>と告げられた時は、おっちゃんと涙をこぼした。ギリギリで働いている人に迫ってくるコロナの2次被害が、この弁当を消してしまうのかと、寂しすぎた。
けれど、決めたと決断したおっちゃんは、最後まで、弁当を届けてくれた。
最終日の出前弁当、何にするか、悩みまくって、おっちゃんとのやり取りも最後かと、、、、(T ^ T)気持ちがパクパクして、電話をかけたら、おっちゃんが出た。
『事情があって、一昨日で、店を終わらせたんです』
『えーーーーーーーーーーーーー!』
これまでの感謝の言葉を・お互い交わしながら、電話を終えた。
ラスト弁当を食べ損ねたせいで、、やっぱり、ランチタイムには、おっちゃんの顔を思い出していた。
今日は、午前中の仕事を終えて、何か作ろうーと思いながら、中華っぽいイメージで、生鮮食品売り場をぶらついていた。あの弁当を思い出しながら、ふとプラスチックケースに入ったフライドオニオンを手にした。何となく、買って帰った。
途中、あまりにも、天気がいいので、近くのグラウンドで走ることにした。
親子連れが、一定の距離を置きながら、バトミントン、サッカー、野球とボールで遊んでいる。私のように、黙々と走っている人もいる。虫を捕まえてる子供も・ちらほらいる。
晴れてる公園で、外でただ遊んでいるのって、おにぎりと味噌汁に似てる! と思うと、無料で・満たされた気持ちになれた。
帰宅したら、仕事場から連絡があって、私宛に中華屋のおっちゃんから、電話があったよと。4月に店を閉じた中華屋さんが、同じ場所で・再開することになった!!との事!
『えーーーー!噓!??ウォーー嬉しい!!』と涙の弁当松に( ^ω^ )
確認の為、中華屋さんに電話をした。
『もしもしー〇〇です。』初めて、聞く若い男の声。戸惑う私に、男は『もしもしもしー』と畳みかけてくる。事情を話してみたが、何だかしっくりこないムード。
『スタッフさんは、前と同じですよね?』と問うた所、『半分は一緒で、半分は変わります』と。男の声は、なんだか冷たく感じた。<考えすぎの可能性大ですけどもね。。。息子さんかもしれないしなぁ。>
さっきまで、嬉し泣きしてた私の表情は、電話を切った途端・無になっていた。
まぁ!明日には、出前弁当頼むつもりだ。何が変わって、変わってないのだろう。
延命した中華屋さんの復活。
コロナに負けて・と言っていたのに、この緊急事態宣言中に復活した決断に・あっぱれ。
ほんとにうれしい、私の小さなローカリティのお話。
そして、男の声に水を挿されて、テンションが青ざめてる、今日この瞬間。
仕事に行く途中、中華屋さんの再会祝いに花束を買いに行ったけど、花屋さんは全く開いてなかった。そう、今は緊急事態宣言ど真ん中。
花屋は、不要不急だけどな。
祝いたい時に・祝わないと、温度は上がったり、下がったりする。
道端の花・摘んで行こうかなー!と思ったけど、流石に手が止まった。笑
花束を送るのは、中華屋さんの現状を知ってからでもいいし、プレゼントテンションが下がっても、上がっても・実は関係ない。
弁当は暖かいのが、基本いいけど、人に花束を渡すときは、案外気持ちが落ち着いているときの方が、いいものなのかもな・と思った。
いろんなことが・ものが・動き出しては、交差する。
骨にスカスカと・風が吹くぅー
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