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「美しい」の研究報告(5月)

見たり、触れたり、味わったり。日常の中で感じた「美しい」を掬い上げ、それについて研究した内容を綴る、日記に近い研究報告です。「美しい」ってなんだろう?そんな曖昧な感覚について深く考えてゆきます。


Taste

地元のカフェ

地元で唯一愛用していたカフェが閉店した。下町情緒溢れる地元には珍しく、若いオーナーさんが営む小粋なカフェ。私にとってそこは昔からオアシスのような存在で、仕事や人間関係に悩んだ時、いつもここに来て過ごしてきた。そんな沢山の思い出が詰まった場所がなくなってしまうと知り、慌てて訪れたある日。大好きなアメリカーノとチーズケーキを注文して、お気に入りの席でそれらをいただく。悩みを抱えていた私はいつもこの席に座って、内省したり、がむしゃらに作業したり勉強したりしていたな。あの頃に比べると、悩みの中身は変わったけれど、不安を抱えながらも高みを目指し続ける自分の姿勢は今も変わらない。どんなときにも、変化し続ける自分に寄り添ってくれる場所であり、味。そんな大切な存在に感謝しながら、店を後にした。




Time

心を自由にする時間

5月、blue noteへジャズを聴きに行った。「27歳の私のやりたいことリスト」の一つに「ジャズクラブへ行く」というのがあるのだが、それにチェックマークがついた時間であった。この日はMichel Camiloというジャズピアニストをゲストに迎えた夜。食事と談話を楽しむリラックスした店内が、彼の演奏が始まることによって、一瞬で華やかで情熱的な世界に変わる。楽しそう演奏する彼につられて、皆が音楽に夢中になり、音に合わせて自由に身体を動かし、存分に演奏を楽しむ。まるで、音楽がその場にいる人達の心を自由にしているかのよう。芸術や音楽に生きるというのはとても難しいことかもしれない。私自身バレエで生きていこうと考えていた時期があったが、収入面を考えて諦めた。それでも芸術や音楽の力を信じて、突き詰める人は本当にかっこいい。そんな人達によって生まれる作品や演奏は人々を救い、自由にする。ジャズクラブは、そんな魂のこもった音楽を、思う存分五感で味わえる場所だった。なんとも贅沢で忘れられぬ夜。

📍 BLUE NOTE TOKYO




Book

26歳計画

「26歳。人生が旅なのだとしたら、旅はまだ始まったばかりだ。」(26歳計画/椋本湧也)

5月末から約1週間程、生まれて初めての海外一人旅に出掛けた。その旅の直前に出会ったのが「26歳計画」という本。世界各地で暮らす26歳による26歳をタイトルにしたエッセイ集だ。旅直前、27歳の私は人生の方向性についても悩むことが多かった。昔はこんなことで悩んだりしなかった、悩んでも仕方がない。そんなことに悩む自分に嫌気が差していたときに、この本を手に取り、少し心がほろりと解れる感覚になった。焦り、諦め、希望、情熱…この本には26歳ならではの、様々な感情がいろんな人の言葉を通して描かれている。何気ない一言一言に深く共感し大きく頷く。この本を閉じて、旅の準備を始めた5月。旅から帰ってきたら自分の27歳計画を描いてみよう。旅はまだ始まったばかりなのだから。

📍 「26歳計画」




Product

愛用のカメラ

生まれて初めての北欧一人旅に、愛用のsony α7ⅲも連れて行った。出会う景色、何もかも美しくって感動した北欧での時間。その時間をより美しく鮮明に映してくれたα7ⅲ。写真をプロレベルまで引き上げたい!と意気込んでいた時にこのカメラを購入したっけ。しかしながら、本体の大きさと重さから、持ち運ぶのが億劫になり今でも全然プロレベルには撮れない。悔しくて、最近流行りの小型カメラや高級コンデジで撮影する人を羨ましく思っちゃったり。だが、旅の1週間でそのカメラで改めて向き合うと、そのものでしか写せない景色があると知る。他人の持ついいものばかりに目移りして、目の前にある大切な逸品の魅力に気付けてなかった自分に反省した。旅を通じて距離が縮まったこのカメラと、今度はどこに行こうかな。



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