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のだめカンタービレ 最終楽章 前編 (2009) 監督 武内英樹

311の後に書いた感想なんですが、状況が今とちょっと似ていてなんだかそわそわします。今見るといい映画なのかも。

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あの震災以来、つい夜中にネットで原発についてとかいろんな意見や見解を探しては見入ってしまい、その結果寝不足になり気持ちは落ち込み、どうしようもなくなる、というループが続いちゃってます。自分はもう年齢的にもどうなってもいいけど、子供のことは守らなくちゃいけないから、過剰反応と言われたとしても、知り得ることは知っておきたい。その上で、どう行動すべきかを判断したい… でもそうは言いつつ、平常心を保っていないと子供を守ることもできない。

たまには映画でも観て気分を明るくしようと、かなり自分ではよさそうなものを選んだつもりで映画を観ても、気持ちの上をスルッと滑っていってしまって、なかなか心に引っかかったり、しみ込んだりしないのです。

この前たまたま、「のだめ」の映画を録画しておいたのを、子供と一緒に見てみたのでした。そしたらこれが本当に楽しかった。後半も観て、今はドラマシリーズをDVDで借りて、過去にさかのぼって着々と制覇中です。今までは、ドラマシリーズもまともに観たことはなかったのです。なんとなくは知っていたんだけど。

私の家は、母が音楽教師だったため、クラッシックに触れる機会は案外多かったほうだと思います。地元に小沢征爾が来た時も聴きに行ったし、有名なベトナムのピアニスト、ダン・タイ・ソンの公演も聴きに行きました。その他、忘れちゃったけど、母は声楽が専門だったから有名なソプラノ歌手とか…。大晦日の日だって、うちでは教育テレビでやってるオペラを母が見るので、まともに紅白を見たことがありません。その割に私にクラシック音楽を聴く習慣はあまり定着しなかったようです。

でもこんな時に見た「のだめ」には音楽があふれていてとても癒やされました。私のような、クラッシックをそれほど愛好してこなかった者にとっても、選曲がわかりやすい。聴きざわりのよさそうなところをダイジェストで聴かせてくれるし、千秋やのだめの解説が入るので、音楽を聴いて漠然と感じる心地よさや悲しみ、いろんな感情の理由が少しはわかるような気がしました。例えば、千秋に置いていかれたと感じて打ちのめされるのだめに、追い打ちをかけるチャイコフスキーの「悲愴」の圧倒的な悲壮感とか(ちなみに地元で小澤征爾の指揮で聴いたのは「悲愴」でした)。

ドラマを観すすめてゆくと、「のだめ」の面白さは、のだめや千秋を筆頭にして出てくるキャラの抜群の個性と面白さにもあるんだとも感じました。Sオケのメンバーや日本にいるみんながあまり出てこなかったのは、映画の残念なところかも。マスミちゃんラブ♡です。まあシュトレーゼマン(竹中直人)は相変わらずおかしくて、ファッションも毎回楽しくてしょうがないのだけど、日本にいるときほどのパワーはなかったような。

だんだん収集つかなくなってきてしまいました。でもまあ、私の今の気分に「のだめ」は寄り添ってくれる気がします。早くドラマの続きがみたいけれど、楽しい「音楽の時間」が終わっちゃうのが残念、って心境です。

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