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Tableauを用いた財務数値の可視化と将来数値の作成(後半)

Tableauを用いて財務数値を可視化・分析を行うほか、将来数値(予測)の作成も行っていきたいと思います。 全2回の後半です。

< 目次 >
PL項目、BS項目
1. 将来数値を入れる項目に関するパラメーターを作成する
2. 将来数値を作成する

PL項目
1. 将来数値を入れる項目に関するパラメーターを作成する

今回でいうと、PL項目のうち、売上高、売上総利益、販売費および一般管理費の予測数値を作成します。パラメーターで作成し、数値を可変できるようにします。

※ 売上原価と営業利益は、この3つの数値を作れば引き算で計算できます

・ 以下の計算を行うためパラメーターを作成します。
  ・ 売上高の予測数値は、売上高の前年比で計算
  ・ 売上総利益の予測数値は、売上高との割合で計算
  ・ 販売費および一般管理費の予測数値は、売上高との割合で計算

↑ 売上は前年と比較した伸び率で計算できるようにパラメーターを作成
↑ 売上高のうち、売上総利益が何%になるか? というパラメーターを作成
売上高に占める販売費および一般管理費の割合を計算するパラメーターを作成
↑ 販売費および一般管理費の割合は毎年変わる想定で24,25,26年の3年分を作成しました

PL項目
2. 将来数値を作成する

では、このパラメーターを使い、売上高、売上総利益、販売費および一般管理費の将来数値を作成します。
以下の関数を使って作成しました。

・ 売上高の予測数値
 ・ 2023年までは元の数値があるので、IF分で引用
 ・ 2024年の売上高は、2023年の売上高にパラメーターで作った
   売上高伸び率を掛けて計算
 ・ 2025年の売上高は、2023年の売上高にパラメーターで作った
   売上高伸び率を掛けて計算して作った、2024年売上高に対し、
   更にパラメーターで作った売上高伸び率を掛けて計算
 ・ 2026年は、前年と同様に2025年売上高に対し、売上高伸び率を
   掛けて計算。

・ 売上総利益の予測数値
 ・ 基本的に、売上高と同じ方法で作成
 ・ 売上総利益は、売上高 × 売上総利益率で計算するので、先に作った
   未来の売上高に、パラメーターで作った売上総利益率を掛けると
   計算できます 

・ 販売費および一般管理費の予測数値
 ・ 基本的に、売上総利益と同じ方法で作成
 ・ 販売費および一般管理費は、売上高 × 売上高対販管費率で計算する
   ので、先に作った未来の売上高に、パラメーターで作った
   売上高対_販管費率を掛けると計算できます 

・ 予測数値を入れたPL項目の作成
関数とパラメーターで作成した、売上高、売上総利益、販売費および一般管理費を入れるほか、売上原価は「売上高 ‐ 売上総利益」で計算。
営業利益は「売上総利益 ‐ 販売費および一般管理費」で計算しています。

その他、売上高成長率や、売上総利益率などの計算も加えるとこのような集計表を作成することが出来ます。

パラメーターの数値を変えると、表の数値も変わります

BS項目
1. 将来数値を入れる項目に関するパラメーターを作成する

同じ流れで、BS項目についても将来数値の計算を行います。
売掛金、棚卸資産(在庫)、買掛金の予測数値を作成します。パラメーターで回転日数を作成し、数値を可変できるようにします。

運転資本は、この3つの数値を作れば足し算と引き算で計算できます

・ 以下の計算を行うためパラメーターを作成します。
 ・ 売掛金は「1日あたり売上高(売上高 ÷ 365日) × 回転日数」で計算
 ・ 棚卸資産(在庫)と買掛金は「1日あたり原価(原価 ÷ 365日)
   × 回転日数」で計算します
 ・ それぞれ「回転日数の部分」をパラメーターにしていきます

↑ 1日あたり売上高に回転日数を掛けて計算できるようパラメーターを作成
↑ 1日あたり原価に回転日数を掛けて計算できるようパラメーターを作成
↑ 1日あたり原価に回転日数を掛けて計算できるようパラメーターを作成

BS項目
2. 将来数値を作成する

では、このパラメーターを使い、売掛金、棚卸資産(在庫)、買掛金の将来数値を作成します。
以下の関数を使って作成しました。

・ 売掛金の予測数値
 ・ 2023年までは元の数値があるので、IF分で引用
 ・ 2024年の売掛金は、先に作った2024年の売上高_予測を365日で割って 
   1日あたりの売上高を計算し、それにパラメーターで作った
   売上債権回転日数を掛けて計算
 ・ 2025年、2026年も同じような流れで作成します。

・ 棚卸資産(在庫)と買掛金の予測数値
 ・ 2023年までは元の数値があるので、IF分で引用
 ・ 2024年の棚卸資産(在庫)は、先に作った2024年の売上原価_予測を
   365日で割って1日あたりの原価を計算し、それにパラメーターで
   作った棚卸資産回転日数を掛けて計算
 ・ 2025年、2026年も同じような流れで作成します。

 ・ 買掛金も同様に、引用する数値・パラメーターを入れ替えると
   作成できます

・ 予測数値を入れたBS項目の作成
関数とパラメーターで作成した、売掛金、棚卸資産(在庫)、買掛金を入れるほか、運転資本は「売掛金 + 棚卸資産(在庫)‐ 買掛金」で計算。

その他、回転日数の計算も加えるとこのような集計表を作成することが出来ます。

・ 予測数値を入れたPL・BSの集計表 + グラフ
最終的には、このような集計表とグラフを作りました。
右端にあるパラメーターの数値を変えると、表とグラフも変化します。

このダッシュボードは、Tableau publicにも載せていますので、よければアクセスしてみてください。
https://public.tableau.com/app/profile/fp.a/viz/___17233589498850/_2426


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