RHYMESTER武道館公演レポート ライムスター、35年の勇戦の凱歌。
実のところ、武道館を訪れるのは7年ぶりくらい。
武道館ライブはMAN WITH A MISSION、the telephonesを経て3回目。(大学の頃はロック小僧でしたね)
ライブは昨年の東京ガーデンシアターのArctic Monkeys以来。
この箱は人数キャパと比べて、ステージと近い。ライブハウスさながらの音響。
ライブハウス武道館って、まさにその通りでよく言ったもんだ。
(武道館の二階席って横浜スタジアムの外野席ばりに背もたれなくて、座席の間隔が狭い。後ろの列歩いてる人に背中蹴られるんだよなぁ。しかも、気温が外気と同じでビビる。)
予定より15分遅れの開場、開演。
世代は30〜40代が中心のように見えた。
ステージは上下の2階層にわかれている。2階の上層の壁には大きな窓枠があって、その前にはスペースがある格好。
一方で1F部分、下層には壁のような液晶パネルが凹凸を作りながら壁に設置されていた。
想定通り、最新アルバムOpen The WindowよりAfter 6が流れ開演。
窓枠の下の床からピンク、青、黄色のガウンを着たRHYMESTERの3名が登場。
My Runway feat.Rei〜予定は未定でfeat. MASTA SIMON(Mighty Crown)〜マクガフィンfeat.岡村靖幸といった具合でコラボ曲が切れ目なく披露される。
聴いていると、宇多丸の声量に圧倒される、ステージ上の存在感の大きさを思い知らされる。
"世界の西原商会!Part 2 逆feat.CKB"が流れる。
社歌が武道館で流れるという現象は稀有、もしかしたら初めてなんじゃないか?と疑う不思議な気分だ。
第一印象は"クレイジーケンバンドの歌声のクオリティ、高っ!"である。
ムーディで綺麗な歌声である。そんなイケオジさま(いや、おじいさま)が"提案!営業!開発!製造!"なんて歌うのである。素敵な時間だ。
季節に合わせた4種盛り?をテーマにしてたみたいだけど、
ここでは活動休止前から4曲の過去作を披露!
耳ヲ貸すベキ〜リスペクト〜ライムスターイズインザハウス〜ザグレートアマチュアリズム
やはりアルバム、リスペクトはかっこいい。名盤だと再認識させられる。
トラックはシンプルだと思うんだけど、
この時代の日本のヒップホップシーンの風土みたいな?アンダーグラウンドのかっこよさが溢れてるんだよなぁ。
トラックを集中して聴きたかったな〜。
(ラッパ我リヤ出てきて欲しかったな〜。)
次は、ジャズとの会話がテーマ。
ジャズィカンヴァセイション〜初恋の悪魔が披露される。ギタリストのReiが再登場。
なるほど、ジャズとのコラボってリアルで聴くとこんなに良いもんなんだなぁ。
歴史の長いジャズ↔︎比較的浅い歴史のヒップホップ。相反するものの融合。
ジャズの心地よさによって、ヒップホップのイケイケなリズムが引き立つ。逆も然り。
エレキギターの披露もかっこいいんだけど、ピアノ聴きたかったな。
ジャズピアノとRHYMESTERのヒップホップの相性ハンパなくない?
暗転し、現れるハイパヨ。
ジャズピアノが奏でて、
"なめんなよ1989feat. hy4_4yh"
なんてエモいんだぁ〜〜。
この曲の主人公ってハイパヨだと思う。
宇多丸のverse、宇多丸らしい偏差値の高い言葉で始まり、マミーDの宇多丸へのラブソングを挟み、炸裂するハイパヨのパンチライン。
私の目頭熱くなる瞬間。4MC、DJ各々がぶつかり合っていた。
お互いの音楽の衝突し合って起こる化学反応。
則ち超新星爆発。
続いて、Bboy イズム feat. hy4_4yh
うわあこの曲カッコ良すぎる。なんでこんなかっけえんだよ。歌詞が心臓にブッ刺さる。
我が思想、理念を具現化したこの歌詞。
う〜〜たまるぅ🎵
文句無しにこの曲が一番カッコよかった。
そして、過去作を再度披露。今度は活動休止後から。
ちょうどいい〜POP LIFE〜 CHOICE IS YOURS
この辺りの曲はエモーショナル。
活動休止後でまさに"ちょうどいい"脱力感を交えたり、ライムスターなりの脱皮、進化を遂げた歴史を感じた。
ライブは終盤へ。
宇多丸のくっそ長いMCが炸裂w 説教臭えんだよ!
戦争とかの今の世相に対する想い、一方でヒップホップやライムスターが拓いてきた自信と信念。これは曲を聴けばよく分かる。
だから、もう始めてくれと思ったのは私だけだろうか。
宇多丸って評論家やラジオスターとしても活躍してるし、客観的に明晰に言語化される印象。
個人的にミュージシャンのMCって、下手っぴでもエモーショナルな言葉の方が好き。
宇多丸は頭の回転も物凄く速いし、言葉に重みもあるんだけど、、、、、
言葉って話し方、話す内容、文脈、、、様々な要素が作用して人の心を動かす。
言葉って奥が深いよなぁー。
宇多丸があれだけ喋ってた理由って、
前回武道館からの17年間、ひいてはキャリア35年を経験したから。そして、ラッパーなんだから言葉ではっきりと伝えたかったからなのかなーって思った。
Open the Window feat. JQ
この曲は物凄く繊細な音、緻密に積み上げた歌詞、そこに響く美しい歌声がアクセント。
文句なしでめちゃくちゃ良い曲。
Forever Young feat.スチャダラパー
盟友、スチャダラパーの登場。(三輪車みたいなのに乗ってた)
(宇多丸声だいぶやられてた。やっぱ飛ばしてたのかなぁ)
スチャダラパーの歌声すごく好き。リラックスしてて、綺麗な声で聴いてて笑顔になれる。本当に楽しい。
あと、めっちゃ優しそうなおっちゃんで非常ににやけた。(スチャのライブ見てえなあ。)
アンコール前ラスト
待ってろ今から本気出す。
なるほど。おそらくopen the windowがこのライブでエモさの最高到達点だったんだなと理解した。
良い意味でおちゃらけたエンディングを迎えた。
事前配布されたサイリウムをアンコール始まったら使うようアナウンスがあるものの、
多くの客が曲開始前からサイリウムを起動させてしまう。
このため、RHYMESTERはやや困惑。
演出失敗してて草。
アンコールラスト曲はONCE AGAIN。
RHYMESTERのアンセムはラストに相応しくて、武道館に祝福をもたらす。
最後にDJ Jinによる一本締めで
武道館ライトアップ。
終演。
2000なんちゃら宇宙の旅とダンサブルの曲聴けなくてクソ残念だったーー
あーーーかなし。
まあどんまいやなぁ。
おわり
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