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房州さんに学ぶ賭博の心得(2024.11.29)

久々に哲也というアニメを見て熱が高まったので、今日はこの作品の紹介と房州(ぼうしゅう)さんというキャラクターの紹介をします。

まずこの哲也という作品がどういうものなのかというと、戦後復興期を時代設定にした麻雀ものの作品です。主人公の哲也が雀聖と呼ばれるまでの物語が描かれます。

初めは「運が良い奴が生き残り運が悪い奴が死ぬ」という考えを持っていた哲也が房州さんというプロに弟子入りし、力の大切さを学ぶことで新宿最強コンビと呼ばれるようになるまで成長する、というのが1〜7話で、その後哲也が1人で新宿最強として勝ち続けていくというのが8〜20話です。
(アニメ版は20話完結ですが漫画版だとまだまだ続いていきます)

なぜ途中で哲也が1人になったのかというと、師匠兼コンビである房州さんが麻雀界を引退することになったからです。


房州さんは玄人(ばいにん)と呼ばれる麻雀のプロでした。玄人(ばいにん)というのはイカサマをして勝つような人のことを言うのですが、この作品では「そもそもイカサマを見抜けない方が悪い」「イカサマでもバレなければ立派な技だ」という価値観があり、現実でも同じような価値観があるのか戦後すぐだからこのような価値観があっただけなのかは正直分かりませんが、様々な玄人(ばいにん)技を使って勝ち続けていく作中最強キャラが房州さんという人物です。

※主人公哲也のセリフ
※主人公哲也のセリフ


例えば房州さん(下のおじさん)は、ツバメ返しという奥義を使って試合が始まる前の最初の段階で勝負が決まってしまう最強の役「天和(テンホー)」を出すことができます(天和の発生確率は33万分の1と言われており、普通に出すことはほとんど不可能です)。

これは最初の段階で既に天和できる牌を仕込んでいるからできることなのですが、他にもサイコロの目を自在にコントロールできたりと、相当な実力者であることが分かります。

そして、界隈では知名度のある「怠惰を求めて勤勉に行き着く」という名言も実はこの作品で房州さんが言ったセリフなんです。

この言葉は他の賭博でも使える言葉だと思っていて、例えば一見遊んでいるようにしか見えないであろうパチスロでも年間単位で勝ち続けるためには「全機種の狙い目やその狙い目の時給をExcelにまとめて暗記する」ということや「店の数ヶ月分の傾向を調べて狙い台を絞る」などの努力をすることが最低限でも必要になってきます。

私も以前は専業(スロプロ)と呼ばれているパチスロだけで生計を立てている人達のことを羨ましいと思っていた時期がありましたが、実際に同じことをやっていると「よくこれを毎日365日できるな」というぐらい過酷なものだということを知り、羨ましいと思っていたのが恥ずかしくなりました。ほとんど毎日パチ屋に行っている私でもそう思ったのですから普通の人はできる訳がありません。
結局真の意味で楽に稼げるものなど存在しないのです。



そして房州さんは老化により腕が鈍り、サイコロの目を自在に操る精度が下がったことを自覚して引退を宣言したのでした。


その後、哲也は1人新宿で勝ち続け、ある時とある旅先で奇跡的に17話で房州さんと再会します。

房州さんは病を患っておりやつれていましたが、最後に哲也と麻雀をすることになります。

現役を退いた房州さんでしたが、房州さんの実力はやはり凄まじいもので、哲也は全く勝てませんでした。

しかし最後に哲也が逆転の一手を打ち、そこから流れは哲也のものに。房州さんは平(イカサマなし)で打つことになります。

哲也(房州さん…もう俺には勝てねえんだよ…)
房州さん(もうおめぇには、二度と勝てねえよ。
...だがなぁ、おめぇと別れてこっちに引きこもってからというもの、俺ぁまるで生きちゃいなかった……)

そしてある局の最初、房州さんは雨が降ることを予言し、命尽きるのでした。


ダンチ「…麻雀やってて死んじまうなんて……え…、あれ?ちょ!て、てて哲さん、こここ、これ!!」


哲也「わかってるよ。.....あがってんだろ。
房州さんはあのあとずっと平で打ってた……

だからそれは、
天からもらった正真正銘の天和さ」


そうです。房州さんはもう勝てないという空気になっていた中、天和であがっていたのです。それも玄人(ばいにん)技による天和ではなく、天から与えられた33万分の1の確率の天和。さらに同じく最高難易度とされる九蓮宝燈との同時成立でした。ここは涙なしには見れません。

そして最後に予言通り雨が降るのでした...。



賭博の先輩である房州さんから私が学んだのは、勤勉であり続けることと勝てる内に勝てるだけ勝っておくことです。店の状況が悪くなるまでに、神台が撤去されるまでに、身体が自由に動かなくなるまでに、そして業界が廃れるまでに、できる限り多く稼働できるよう心掛けたいです。

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