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ルドルフの日常 繁殖犬の里親に

8月末、残暑厳しい夏の終わりの週末。やっぱりWEBじゃ気分もでないし、よし“パークウィンズ東京競馬場”へ行ってみよう。

その日の午後、東京競馬場からの帰り道、あーあと肩を落として乗換駅を出ます。
何でもこの辺りは、WEBの怪談話が有名で、異次元へと繋がる入り口があるとのことでした。
”もう異次元にでも入ってしまいたい”と願いながら駅を出ると、道を折れてすぐのところに、1軒の理髪店がございます。

「カット 1200円」の張り紙

“おっ、たまに見かける「QBハウス」みたいなものだな、よし気分転換に髪でも切って帰るとするか”
と、店内に入ります。順番待ち二人目で、長椅子で待つこととなりました。

自分の番となり、こんな感じでお願いしますとスマホの画像をお見せしました。

ジョージ・グルーニー

まあ、ジョージ・グルーニーになれる訳もありませんが、これぐらいの短髪でねっていう意味ですけど。

余談:ジョージ・グルーニーというと、ホラーっぽい映画「キラートマト」
   を思い出しますね、私は。確か人食いトマトと対決する主人公でし
   た、ただ残念ながら詳細なストーリーは思い出せません、B級映画の
   王道だった記憶はありますけどね。
    追記:ついでに調べました 2作目にあたる「リターン・オブ・ザ・
   キラー・トマト」で無名時代のジョージ・クルーニーが主演を務めて
   いるとありましたね。あー良かった、ボケていなくて!

と、グルーニーカットをお願いしたのですが、仕上がりは、ただの五分刈りでした。
あーあ、やっちゃった、「グルーニー」のつもりが五分刈りかあ。似ていると言えば似ているけど、このちょっとの感覚の差。
まさに、異次元へ紛れ込んだ気分でしたよ。
確か、ここら辺、「ロッテリア」に入ったつもりが、後日訪ねると「モス」だったという、異次元怪談話がありましたね、まさにそんな感じ。

その後、人目を避けて暮らす、落ち込み気味な私を励ましてくれたのは、7月に引き取った1匹のトイ・プードルでした。

トイ・プードル「かりんちゃん」登場

7月14日、海の日の3連休中日、私は何か良い草花はないかしらと、近くのホームセンターへ伺いました。葉物野菜の苗かハーブで面白そうなものを探しておりましたね、確か。
 
午後3時くらいでしたか、園芸コーナーでめぼしいものにも出会えず、何となく建物の中に入っていきました、涼しいですからねえ。入り口から奥を眺めると、突き当たりにペットショップがあります。生体販売も行っているらしく、大きなガラスで仕切られていました。
何気なく向かっていくと、ガラスに里親募集の張り紙がありました。“あれ、ペットショップで里親募集かあ。売れ残ったワンちゃん・ねこちゃんの引き取り手を探しているのかしら”


ペットショップ

ショーウィンドウに近づくと2匹のトイ・プードルが中に居ります。
どういうことかと、側にいたペットショップの店員さんに尋ねると、取引業者のブリーダーさんからの依頼で、6歳を過ぎた繁殖犬の引き取り手を探しているとのことでした。

向かって左の女の子

特にこの子(女の子)、店員さんも気遣うほど、甘えん坊で気弱なワンちゃんだそうです。3日間のお試し期間があるそうでしたが、先週、多頭飼育されている家から戻されてきたとのことでした。
まあ、ここで引き取り手が無いと、ひょっとして、とも思いましたよ。
そんな背景もあってか、この店員さん、ガンガン来ましたね。
早速この子を抱っこさせられ、検討を急かせられます。まあ、この子はというと、私の体にしがみついて離れませんでしたよ。“甘えん坊で性格のよい子ですよ~”と熱の入った店員さんのアッピールもあり、譲渡の説明を伺うと、これまでに計上された6万円ほどの費用を支払い、ペット保険にも入ってくださいとのことでした。

だいたい理解しましたので、とりあえず家族の意向も確認して、また来ますよと、ペットショップを後にした次第です。帰って、家内と娘に確認しましたが、良い子ならOKと当然の反応ですかね。
7~8年前に17歳のポメラニアンを亡くしてから、何となくペットを飼わずにいたのですが、時折ワンちゃんがいたらいいなあと言っておりましたから。
それならばと、家内を連れ、ペットショップへ早速戻ります。
早い再登場で店員さんもびっくりされていましたが、さっさと手続きを行い、譲渡いただいた次第です。
費用は6万6千円でした、中身をみるとワクチン代やマイクロチップ代が大きかったですかね。
しかし狂犬病などのワクチンって本当に毎年必要なのですかね、日本で発生した事例を聞いたことがありませんけどねえ、またマイクロチップもその必要性に疑問を感じるところですね。この時代、どれも利権の温床の様に感じられるのは、少し時代に毒されているのかしら。
また6歳を過ぎた繁殖犬の処分って、商売・経済感覚では何となく理解出来ますが、不良在庫の処分ということですよね。うーん、悲しい現実ですね、横のゲージに販売用ワンちゃんやねこちゃんがいますけど、20~30万、いろいろ経費を付けると、40万超えもありますものね。これでは、子供にせがまれても、たやすく買える額ではありませんね。売れないワンちゃんねこちゃんの存在は、お店にとってもブリーダーさんにとっても、不良在庫をさらに増やすことになりそうです。
今の日本、野良猫狩りなどの慈善活動も多いですが、本質的にはこの悲しい現実を助長しているように思えますよ、斜めに見すぎでしょうか。まあ、ご老人がたまに来る野良猫をかわいがる、なんてもう昔話ですかね。


1~2週間後

結局、3時間足らずで、家族が一人増えてしまいました。この急展開には自分でもびっくりです。
ただ丸5年間のゲージ生活は、このワンちゃんに精神的、肉体的な傷跡を多く残していましたよ。
自宅に連れ帰って、居場所やオシッコシート、食事の場所などを確認してもらいましたけど、足腰が弱っていて、階段も上れず、すぐ座り込んでいましたね。触ってみると、脚の筋肉も細くて、リハビリが必要の様子でした。それでは散歩で基礎体力回復をって思いますが、これまた散歩が怖いらしくて中々外出したがりません。
また、口臭もきついし、目ヤニがこびりついていて、いろいろとお手入れが必要のようでした。何かと荒れた生活だったのかしらと思うと、悲しいですね。
それから1週間ほどは、ほぼ付きっきり。精神的にも落ち着かせて、ご飯をしっかり食べさせ、気が進まない散歩を朝と夕の2回連れ出してと、ワンちゃん中心に忙しい生活でしたねえ。えーと名前は、「かりんちゃん」といたしました。
フランス語で甘えん坊を“カリーヌ”、その略語が“カリン”。そこから“かりんちゃん”と名付けました。
*たぶん、このフランス語、合っていると思います。ちなみにパリ五輪にちなんでのフランス語ですね。

上の写真は、1~2週間後の車に乗った時の写真です、この時はすでに、好奇心でいっぱいって感じでしたね。
 
週に3回ほどの歯磨きや、週1回の入浴、朝夕2回のお散歩、朝夕2回のお食事(缶詰)、昼と夜食用に少なめのドライフード1日2回を続けました。すると1月くらいで、体もガッシリしてきて、散歩も自分から、せかすようになりましたよ。9月に入る頃には、全力の駆け足や家の階段の上り下りも自由自在になりましたしね。ただ、走られると、ついて行く私がキツイ感じですけど。

トリミング前

9月に入って、毛も伸びてきたので、目ヤニを取り除く意味もあり、ゴリゴリの羊カットにしていただきました。
トリマーの方に頑張っていただき、シカかアルパカっていうほど刈り込みましたね。これぞ“五分刈り”でしょうか。
 

羊カット(鹿カット)

この方が表情が豊かで、何を考えているかわかりますね、結構会話が成立していますもの。
食事や水飲みの時も楽そうですし、当分、このトリミングスタイルでいこうかと思っております。
 
いやいや、ワンちゃんを保護した形ですが、多分にこちらも癒やされ、ワンちゃんに助けられた気もしています。
ペットって不思議ですね。
 
そう言えば9月半ば頃から庭の小さなモミジにキジバトが巣作りをして、ずーっと佇んでいます。きっとタマゴを抱いているのでしょうね。この春先に、巣作りを始めたことに気づき、一度追い払ったのですが、今回は気がつきませんでした。構わないと言えば構わないのですが、定住されるとフン害やら鳴声やらで煩わしそうなのですけどね。
まあ仕方ないか。
ちっちゃい人達って、来るときは一斉に来ますね。


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