本来の自分に近づく道のりに何があるのか
私の愛読書の一つは「ゲド戦記 影との戦い」です。
のちに、大賢者と呼ばれるようになった魔法使いゲドが、まだ少年だった頃の話です。
ゲドは自らの傲慢さが引き起こした災いを、自らの手で決着をつけるために仲間と旅をしていました。
ゲドが解き放ってしまった世界に災いをもたらす影をゲドは追いかけます。
最後に、ゲドと影は正面から向かい合う時が来ました。
ゲドが影と同時に 「ゲド」と名前を叫び、抱きしめた時、ゲドと影は一つになり全てが終わったのです。
「ゲド戦記」を初めて読んだのは、まだ中学生の時でした。
かなりの月日が流れても事あるごとに、その場面を思い出すのは、これが自分のミッションと深くつながっているからでしょう。
上記の言葉が、弊社ファインネットワールドのミッションです。
20年近くにわたり、このミッションの言葉は変わっていません
ただ、ミッションを掲げ始めた当時とは、そのミッションが意味するところは随分変わりました。
当時、そのミッションに持っていたイメージは、自分のワクワクを追求することであったり、好きな仕事をして、好きな人たちとともに幸せに豊かに生きることであったりしました。
嫌な仕事を我慢して続けるのではなく、好きなことを見つけてそれを仕事にしていきましょう。そんなメッセージを発信していました。
それが当時の私達にとっての、「本来の自分に気づき 本来の人生を生きる」ことだったのです。
それから時を経て、ミッションの意味合いは私達の中で少しずつ変わってきました。
好きなことをする、ワクワクすることをやる。
これらは裏を返せば、嫌なことは避ける、ワクワクしないことはやらない。ということに陥りがちです。
しかし、嫌だと思ったこと、出来ればやりたくないと避けてきたこと
これらに向き合って取り組んだとき、人は成長し、時には大きく変容する
そんな体験を数多く見てきました。
本来の自分に気づくとは どういうことか?
本来の人生を生きるとは どういうことか?
これらの問いに対する答えが、新たになってきたのです
嫌っていた自分の一部
見たくなかった自分の一部
これらを受け入れて統合していくことで、自分という存在が大きくなっていく。 これが「本来の自分」に近づいていくことだと、今は思います。
では、「好きなことをする、ワクワクすることをやる」というのが間違っていたのかというと、そうではありません。
好きやワクワクといった「光」を目指さない限り、嫌っていた自分や見たくない自分といった影に気づくことは難しいのです。
それ故、統合することもできません。
光を目指すのは、必要なプロセスです。
●光を目指し、影を浮かび上がらせる
●光と影の葛藤を越えて、再び一つになる
そしてまた光を目指し、影を浮かび上がらせ統合し、一つになる
これを繰り返していくことが、人が成長し変容するということではないでしょうか。
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