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答えは相手の中にあるとは、今は信じていない
「相手が必要とする答えは、相手の中にある」
コーチングの基本原則ともいうべき言葉です。
プロコーチになった当初、基本原則を強く信じていました。
それと同時に、囚われてもいました。
「コーチは答えを与えてはいけないし、アドバイスもしてはいけない」
もう20年以上前の話です。
コーチングの研修講師がセミナー中、受講生にアドバイスしているのを見ました。
『それでもコーチか!!』
口にはしないものの、怒りがメラメラと湧いて、中々収まりませんでした。
今、苦笑いしながら、そんな自分を振り返っています。
「答えを引き出すこと=善」
「答えを与えること=悪」
コーチングの原則をベースとした価値基準を強く持ち、自分も他人も裁いていたのでした。
「相手が必要とする答えは、相手の中にある」
コーチングセッションを重ねていくなかで、いつの間にか、この言葉を信じている自分では無くなってきました。
相手が必要とする答えは相手の中にはない
その真実を知ってしまった・・・ではありません。
「相手が必要とする答えは、相手の中にある」
それは真実であることを「知った」のです。
自分の周りに空気があることを信じるのではなく、事実だと知っているのと同じように。
原則的にはしませんが、今は私も相手から求められた場合は、体験をシェアしたり、アドバイスをしたりすることもあります。
質問をしても、フィードバックをしても、アドバイスをしても・・・。
こちらが何をしても、相手が必要とする答えが、相手の中から自然に出てくるからです。
そのことを、今は知っています。
自分自身の囚われから解放される分だけ、クライアントもまた解放されることも含めて。