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自治体との連携協定で稼ぐ方法

昨今は民間企業と自治体が連携協定を締結し、特定の行政課題の解決について民間企業が行政に協力する動きが見られます。

行政にとって連携協定は民間企業のノウハウを活用できる機会であると同時に、大変失礼な話ですが、対外的にも「なんかやっている感」が出るので議会対策としても有効です。

反対に、民間企業の目線になってみると、行政との協定締結は自社のPRにつながります。また、行政との連携によって自社のことを詳しく知らない“ライト層”に対し信用度を向上させる効果もあるでしょう。

しかし、連携協定それ自体は直接売上を生むことはありません。そのため、連携協定を通じて儲けるためには、自社・行政・ターゲット層の位置関係が重要です。

この記事では「連携協定で儲ける」ために必要な要素を解説していきたいと思います。BtoG領域に参入を考えている方の参考になりましたら幸いです。


1. 連携協定とは

近年、行政が対応すべき範囲が広域化し、且つそれらが山積・複雑化する状況を背景に、官民連携(公民連携)を推進する動きが登場しました。

例えば、国は2017年に「PPP/PFI推進アクションプラン」を策定し、同プランの中で公民連携の推進によって民間企業の新たなビジネス機会の拡大と地域経済の好循環実現などに言及しています。

また、民間企業サイドでも企業のCSR活動・SDGs実現に向けた活動への注目の高まりを背景に、官民連携を模索する動きが活発化してきました。

これまでも行政の現場では、他の機関・民間企業等と行政権の執行上で生じる様々な事柄に関して文書を締結することがあります。例えば、国道の上を鉄道の陸橋が横断する場合に交差部の構造物の維持管理境界を「覚書」として明確化しておくことが挙げられます。

連携協定も、大まかにはこれらの覚書と同種の文書です。特に法律上に規定された仕組みという訳ではなく、平たく言うと「お互いがコミットする事項を明文化して取り交わす」ということです。

実際に、連携協定に関する規定は、各自治体がそれぞれの考えに基づき「連携協定締結に関する指針」等のルールを定めて運用しているのが現状です。

なお、連携協定のなかには「包括連携協定」の名称を使用しているものもありますが、協力分野が多岐に渡る場合にこの名称としている場合が多いようです。

2. 連携協定の事例

自治体との連携協定に積極的な企業の事例を見てみましょう。

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