マガジンのカバー画像

展覧会記録2020〜

11
運営しているクリエイター

記事一覧

大倉集古館『海を渡った古伊万里 ウイーン、ロースドルフ城の悲劇』2021・1.11

大倉集古館『海を渡った古伊万里 ウイーン、ロースドルフ城の悲劇』2021・1.11

最終日にやっと滑り込みで来館。いやいや、道中の電車が普通に怖い。座るのさえ躊躇ってしまう程よ。大倉集古館自体には今回初めて来たけれど、周辺の異様なピリピリした緊張感はアメリカ大使館の前だからなのね。一部大使館側の歩道が通行止めで歩けないくらいの警戒感。あまり警戒されると突然走り出したい気持ちに駆られるが、モチロンやんない。

しかし案山子、外から眺めると近代的なビルに囲まれている東洋建築の重厚さは

もっとみる
東京都写真美術館『138億光年 宇宙の旅』展に行く。2020.12.15

東京都写真美術館『138億光年 宇宙の旅』展に行く。2020.12.15



GoToじゃなくても恵比寿の東京都写真美術館に行けば簡単に宇宙に連れて行ってくれる。ハッブル宇宙望遠鏡やらすばる天文台やらの素晴らしい画像が全て撮影可能でありがたや。

どっちを向いても宇宙、どこまで行っても未来。幼少時よりアニメ『キャプテンフューチャー』等のスペースオペラやSFの洗礼を受けて育った為に無条件に宇宙が好き。嫌いになる理由もない。田舎に住んでいた頃に、夜空を覗いた望遠鏡の先に土星

もっとみる
東京現代美術館『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』2020.12.5

東京現代美術館『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』2020.12.5

本日泣く寒さの中『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』展に行く。1人の人間の仕事量と濃密さに、ただやられる二時間超。体内で発芽した精神の種が血管を通り心臓を動かし、大きく息を吸って響いた筋肉で大地に立つような血肉感ある初期のデザインは見ているだけで殴られるような力強さよ。

こうして見ると初期のPARCOの広告はメッセージ性が強かった。いつからコマーシャルになったのか。手がけた広告や装丁は

もっとみる
サントリー美術館『日本美術の裏の裏』に行く。2020.11.18

サントリー美術館『日本美術の裏の裏』に行く。2020.11.18

実は昨日(火曜日:休館日)に来たので二度目の正直である。何が裏の裏なのかと思いきや、説明を見ると教科書では教えないような日本美術の隠された魅力(表立ってないから裏なのか)と言う事らしい。今時らしく撮影可で、ありがたや。

展示は1〜6賞まで別れて『洛中洛外図』などは床に京都市内の絵に該当する場所が分かるような略図的な地図があり、ミニチュアの『雛道具』はルーペが添えて小さい作品を見やすくしている。陶

もっとみる
東京SG『もうひとつの江戸絵画 大津絵』展に行く。 2020.11.8

東京SG『もうひとつの江戸絵画 大津絵』展に行く。 2020.11.8

過去2回ほど滋賀県の大津絵美術館に立ち寄ってはみたが、2回とも休館の憂き目にあったので、まとめて見るのは今回初になる。

絵の中の鬼や座頭のゆるさ爆発、水中のタコのようにゆるい。

貧しい暮らしをしている村で皆がお金を出してまで伊勢講に行った代表者のお土産がコレだと『何で?』と疑問に思う所だ。仏画、風刺画いずれも売れたらしいが、宿場町のジョークが通じたのだろうか?『コレかよ!』と言われやしないかと

もっとみる
板橋区立美術館『誰も知らないレオ・レオー二展』に行く。2020.

10.25

板橋区立美術館『誰も知らないレオ・レオー二展』に行く。2020. 10.25

コロナ対策でHPから日時指定の来館予約をしないと入れないシステム。少々面倒だが今まで美術館は込むと落ち着いて見られないので、もうずっとこのままでも良い。

美術館の外壁には絵本『スイミー』の魚たちが泳いでいる涼しげな世界である。秋だけど…。ズレなければ時期的には夏の期間なんだっけ?そこは忘れたが開催されるだけでありがたや。

レオ・レオーニと云えば“フレデリック”などの可愛い動物(ネズミだが)が主

もっとみる
練馬区立美術館『式場隆三郎 腦室反射鏡展』へ行く。2020.10.18

練馬区立美術館『式場隆三郎 腦室反射鏡展』へ行く。2020.10.18



今回も練馬区立美術館の展示には外れなし。

ポスターは随分気合が入っている。

式場隆三郎についての知識ときたら、藤田和日郎の漫画『双亡亭壊すべし』の双亡亭のイメージモチーフである実在した怪屋敷“二笑亭”の本『二笑亭綺譚』の作者という以外は何も知らない(しかも未読)。まあ基本、自分は何も知らないが何も知らないからこそ見に来たのである。間違いではない。

式場隆三郎は大正〜昭和にかけて精神病理学

もっとみる
「華開く!ぐんまの縄文文化」を見に岩宿博物館へ。  2020.7

「華開く!ぐんまの縄文文化」を見に岩宿博物館へ。  2020.7



「それを見てどうなるの?」会社等で土器に興味の薄い人に予定を聞かれた時に『土器を見に行く』と言うと、大抵言われる一言である。まあ普通に興味の強い人はあった事はないが。

研究をしている訳でもなくマニアでも詳しくも無いので、特に見てどうという訳でもない。ミーハー、でも行く。正直このコロナ感染拡大の中をちょっと離れた場所に電車を乗り継ぎしていくのはイヤだ。でも行く、明日が最後なので。

今どこもそ

もっとみる
バウハウス展に来たれり。2020.9

バウハウス展に来たれり。2020.9

東京ステーションギャラリー『きたれ、バウハウス展』の最終日に行く。事前チケット制で先週チケットを購入したので、今週になって急に台風が来て心配だったが、何とか天気がもって安心した。

美術に疎くても聞いた事のあるモダンデザインの源流となったドイツの美術学校。正直、美術自体も詳しく無いので展示内容は難しかった。何か作った物を見せるというより教育の在り方を見る。何となく知っている事と照らし合わせて『建築

もっとみる
国立西洋美術館に行く 2020.10.11

国立西洋美術館に行く 2020.10.11

来週を過ぎたら、長い休館期間に入ってしまう国立西洋美術館へ。

企画展の『ロンドンナショナルギャラリー展』の本日のチケットは売り切れなので、大人しく常設展に行く事にする。結構と上野に来ている割には中まで入るのは久しぶりな気がする。ちなみに建物はコルビジェ設計、世界遺産で国の重要文化財。館内の鑑賞ルートは案外歩きやすさがあるのに分かりにくいので来る度に迷ってしまう。

常設展はルネサンス期から近代ま

もっとみる
東京国立近代美術館に行く。2020.10.4

東京国立近代美術館に行く。2020.10.4

『ピータードイグ展&常設展』

『ピータードイグ展』に行った。

画家の事はよく知らないのだが、水面の揺らめきに映り込む樹の影、夜空に溶け込む銀河と生と死。気がつかないだけで知らないうちに、もしかしたら自分は自分以外との世界の境界線は溶けてしまっているかもと、思わせるミステリアスなローファイ世界。

樹々が立ちこめる森は温かく柔らかさがあり、秘密の星と繋がって生命が散りばめられ泡のように静かに産ま

もっとみる