#3
ドキッ、と。
心臓が飛び出しそうになったんだよ。
本当だよ。
キミは知らなくて当然だけどね。
異国人なんだよ。
目元も鼻も口も顔立ちも肌の色も…
何もかも違うんだよ。
日本人じゃないんだよ。
ここは異国。
普段日本人には会わない。
異国人を見慣れて始めて、違う人種、違う世界が形成されてて、ボクなんかが異国人の生活の中に入れないと思ってた。
彼らにとって、自分こそが異国人。
日本人は異国人。
だから、女性とは言え異国人にドキッとすることはないと思っていた。
彼らの意識の中に、彼らの世界に入れるとは思っていなかった。
女性とは言え異国人。
会釈して、少し微笑んだだけだというのに…
ドキッとして驚いたのは、いろいろな感情が混ざっていたんだ。
この時はまだ、はっきりとはわかってなかったんだけれどね。