その②の続きです。
と話すのは、Aチームの設計を主導した、脇さん。
と話すのは、Aチーム、Bチーム双方のロボット制御プログラム作成を主導した、守屋さん。
今年の「ロボ研」を主導した彼らの感触では、「今年は、全国に行けるかもしれない。」という予感がありました。
雲行きが怪しくなってきたのは、本番前日の9月28日。出場ロボットと出場メンバーが、四国地区大会の会場である香川高専高松キャンパスに到着した後のことでした。
本番前日の、想定外のサイズオーバー。しかしこれは、現場の部員たちの機転で、最小限の加工で済んだ。しかし、「怪しい雲」が晴れたわけではありませんでした。
「高専ロボコン」では大会前日に、ロボットのすべての機能を披露する「テストラン」が行われます。その場で、想像を超えてくる完成度を見せつけてくる、強豪ライバル校。「ロボットを飛ばし、帰還させる」という課題の難易度やSNSの投稿状況から感じていた「今年はどこもやばい」という想像は、この時点で覆されてしまいます。
そして、本番当日。宿泊先のホテルで微調整を行ったパーツが取り付けられ、「本番に出場するロボットが最終形になった」という、本番当日の公式練習。ロボットが、チームの熱意に応えます。
2023年から、優勝校の他に2チームが「審査員推薦」という形で全国大会への切符を手にすることになった四国地区大会。1つの高専からは2チームが出場しますが、どんな成績であっても、全国大会に進めるのは「1つの高専(キャンパス)から1チームだけ」という慣例がありました。
出場する2チームの両方が、大会本番でも突出したパフォーマンスを見せた「香川高専高松キャンパス」は別格として、残り2枠。
予選リーグでは、【Aチーム】は1勝1敗。【Bチーム】は1点も取れず、0勝2敗。全国大会への切符は、優勝の香川高専高松キャンパスと、決勝トーナメントに進出していた香川高専詫間キャンパス、そして予選リーグ敗退ながら一定の得点能力とデザインのコンセプトが評価された阿南高専が獲得。
「ポテンシャルあるじゃん!」という期待は、「ポテンシャルはあったんですよ。」という落胆に変わり、新居浜高専ロボット研究部の「高専ロボコン2024」は、幕を閉じました。
その④に続きます。