曰く、「ロボ研」の部室はパラダイスなんだそう。
こう語るのは、「高専ロボコン四国地区大会」では「Aチーム」の一員としてロボットのコントローラーを握った、新居浜高専3年生の末永好一(よいち)さん。部員からは「好一さん」と親しみを込めて呼ばれ、笑顔も絶えない頼れるロボ研の部長です。
「Aチーム」の、ボールを回収するロボットの設計・製作に加え、チームのロボット名「なげやりくん」の名付け親である彼は、「なげやりくん」命名の経緯をこう話します。
他の部員や顧問の先生の受け止めを他のところで紹介している通り、今年のルールは難しかった。だから「投げやりにならないように」という願いを込めて、「なげやりくん」。命名の由来通り、今年のロボット製作は難航を極めました。
こう切り出したのは、2年生の菊池海梅(かいめい)さん。末永さんと同じく「Aチーム」の一員で、彼のロボット設計・加工の才能には上級生たちも一目置いている次代のエース候補です。2024年の四国地区大会では、高得点が狙える「ボックス」の回収・帰還を担うロボットの設計と製作、試合本番での操作を担当しました。
元々製作していたロボットの箱の回収方法がルールの解釈上「ロボットではない」との連絡を受けたのが、本番前々日の9月27日金曜日、午後6時ごろだったと菊池さんは記憶しています。大会会場への出発は翌朝。体育館では最後の練習中。残された時間がわずかな中でも、’投げやり’にならないための怒涛の再挑戦が始まりました。
末永さんが主導したボール回収ロボットと、菊池さんが奮闘した箱回収ロボット。この2つを発射するロボットの操作を任されたのは、2年生の高市健永(けんと)さん。他の部員から「守護神」と親しみを込めて評される、チームに落ち着きを与えるムードメーカーです。
このように評される高市さんですが、本人はもちろん、緊張していました。
部長の末永さん。直前での仕様変更にも折れなかった、菊池さん。そしてムードメーカーの高市さん。新居浜高専Aチームの予選ブロック2試合が、始まります。
その②に続きます。