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「全然機能を見せれなかったので、悔しさが大きいですね。」 ー新居浜高専ロボコンBチーム、ポップコーンの憂鬱。
飛びそう。跳ねそう。とにかくそこですね。
上級生中心のAチームのロボットが「なげやりくん」と命名されていたのに対して、下級生中心のBチームロボットが「ポップコーン」と名付けられた理由をこう語るのは、Bチームのリーダー・山本陽永さん。「ポップコーン」命名の張本人でもあります。
高専ロボコン四国地区大会では唯一、ロボットを飛ばす仕組みとして「投石器」のような機構を採用し、それがロボットを飛ばす姿を本番会場の多くの観衆に待ち望まれた「ポップコーン」はしかし、その機能を予選2試合では発揮できませんでした。
想定外だったのは、ストッパー部分。一択ですね。バネのチカラが強すぎて、ストッパーで留める力よりも強すぎて、ストッパーがめちゃくちゃ引っかかってしまった。
自機が不完全燃焼だった理由をこう分析するのは、ロボットの設計を担当した2年生・鵜久森大地さん。
バネがついた「投石器」アームを、バネを伸ばしながらストッパーで固定する。ストッパーを開放すると、バネが縮んでアームが振られ、ロボットを投げる。古くからある「投石器」をそのままロボットとして再現した「ポップコーン」はしかし、搭載したバネの力をストッパーが受け止めきれず、ストッパーが変形。バネの力をうまく開放することができず、結果として「投石」が叶いませんでした。鵜久森さんが続けます。
正直言うと、前日の練習で他の学校を見て「これは絶対に勝てないだろうな」と思ったので、「せめて全部の機能を見せれたらな」と思ってたんです。「このロボットはこんなことが出来るぞ」ということが見せれたらと思ったんですけど、それも出来なくて。勝てなかったのが悔しいし、エキシビション以外では全然機能を見せれなかったので、悔しさが大きいですね。
機能を見せることができなかった悔しさは、チームのリーダー・山本さんも同じでした。
チームのみんなで試行錯誤して、ちゃんと課題を攻略して、当日すっごく楽しみだったので。みんなであれだけ頑張ったのに、こんな結果になってしまった、というのがすごく悔しくて。同じ点が取れないんでも、ちゃんと機能を見せてから負けたかったな、というのがありますね。本番で見せたかったな、というのが。
予選2試合で2試合とも負けてしまったチームに与えられる「エキシビション」のチャンス。「動作中のロボットに触ってはいけない」など通常の試合中のルールを気にせず、自由にロボットの機能を紹介するプログラムです。「ポップコーン」はこの機会に初めて、ロボットを飛ばして・ボールを回収して・投げ返す、という一連の動作を、チームメイトの介錯を受けながら達成したのでした。
予選2試合では、「投石器」機構が動かなかった。応援席では誰もがその様子を、「投げてくれ!」と願って見守っていましたが、フィールドの後方から同じ様子を見守っていたチームメイトもいました。
やっぱり、ロボットが動かない姿を見るのがどうしてもつらくて。早く時間が過ぎてほしい気持ちと、動くんなら時間一杯頑張ってほしい、というのが、せめぎあいでしたね。ストッパーの部分は直前までほんとに、出発する夜中までそこを調整してたので、動かないのが、つらくて。
こう語るのは、Bチームで安全管理を担当した2年生・髙井陸人さん。「ベルトコンベヤを展開して箱やボールを回収する」という独創的なアイデアを提案しましたが、チーム内で協議した結果、その案が採用されなかった悔しさを味わったメンバーです。「ベルトコンベヤは没になったんですけど、ちょっとでもチームに貢献したいなと思って」と、志願して縁の下の力持ちを買って出ました。
高知高専Aチームを相手に、0対10。
香川高専詫間キャンパスBチームを相手に、0対1。
ロボットが発射されて着地できれば、最低でも1点が取れるルールだった2024年大会。そんな中で、いずれも1点も取れていないのはつまり、ロボットの発射機構がうまく動かなかったということ。たしかに、悔しさしか残らない結果です。
大会を終えて、異口同音に悔しさばかりを口にする2年生中心のBチームの面々。しかし同時に、来年に向けては多くの希望を語るのでした。
後編に続きます。