その①から続きます。
新居浜高専に在学した最終年度である2020年度に、今井雅文さんの研究室の一員として超小型衛星「KOSEN-1」の開発に関わった、秋葉祐二さん。1年間の開発は、楽しいながら苦労の連続でした。
プロジェクトの主要なミッションである「木星電波」受信について、地上だけでなく宇宙にも観測地点があることで、より精密に「木星電波」が観測できる点が有意義だとされた「KOSEN-1」。その核となる木星電波の受信プログラムを任された秋葉さんでしたが、自身の開発したプログラムで衛星が受信したデータの内容を、地上局と衛星とが通信して地上局に「下ろす」ためのプログラムは、他の高専が担当。「たくさんのプロジェクトメンバーと連携して開発を進める」難しさを痛感します。
紆余曲折ありながらの衛星開発は、2021年3月に秋葉さんが新居浜高専を卒業する直前まで続きました。
「KOSEN-1」が搭載されたイプシロンロケット5号機の打ち上げが成功したのは、2021年11月。秋葉さんが高専を卒業した7か月後のことでした。
今まさにこの時も「KOSEN-1」からは、太陽電池の発電量やバッテリー残量など本体の基本情報がモールス信号で地球に届き続けているとのこと。それは秋葉さんの言う「KOSEN-1が宇宙に居るっていう証拠」なのです。