suomi ~松江の24時間サウナ~
サウナーってほどでもないけれど、それなりにサウナに行く人種としてずっと思っていたこと。
地方、ひいては島根ならではのサウナがないもんかね、と。
整う、がよくわからない自分としてはいかにチルかということが重要なので、いわゆる整い場=外気浴のロケーションに期待したいところだが、現状一番近い場所で個人的な条件を満たしているのが出雲の四季荘か、米子のオーシャンでちと遠い。松江にあったらなぁ、がなんとできました。
ということでさっそく行ってきた。
【基本情報】
何と言っても24時間営業が熱い。とはいっても、テッペン超えてから行ったりはしないのだが、大体の施設が20~21時に閉まるのが常なので、そういう意味で時間を気にしなくてよいのは素敵。
フィンランド式サウナで、外気浴は基本外。
宍道湖を臨むという最高のロケーション。カップルや家族でも楽しめる共用エリアがあるのが珍しい。
他にも24時間営業のコワーキング・ジムが併設。セット料金や使い放題プランなど料金体系は様々だが、「とりあえずサウナだけ入りたい」ということであれば3時間利用 1,650円(税込み)で問題ない。
会員登録必須、ネット決済、入室はスマフォでQRコード表示となっているので、スマフォ・クレカが必要。
そしてここが重要。水着必須。(ラップタオル購入可能)
ラップタオルは結構値が張るので、通う気がないならば水着は持参したほうがリーズナブルではある。
▶詳細はこちらから *音が再生されるので注意
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【館内】
コワーキング・ジム・サウナはすべて別の建物で繋がっていない。
コワーキングとジムは屋根のかかった外通路があるが、サウナ棟は離れている。
インフォメーションがコワーキングとジムの間にあるが、常駐(24時間)はしていない。おそらく日中の常識的な時間に係員がいるものと思われる。
(自分が伺ったのは21時を回っていたので、当然いなかった)
WEBで決済した後、WEB会員ページ(もしくはLINE)から表示できるQRコードで入室をする。
ロッカールームは正直狭い。
この施設自体が大人数収容を想定していないつくりなので、適正とも言える。
ロッカー自体は10数個あるが、同居は2~3人が限界だろうか。
洗面台、シャワールーム、共に2つずつなので、肌感に間違いはないかと思う。
洗面台に給水器がある。自動販売機はないのでご注意。途中のコンビニで買いましょう。
更衣室を抜けると視界がひらけ、整い場。ウッドデッキになっており、寝そべれるチェアが並んでいる。宍道湖も見える。
つまり、野外です。タープがかかっているところもあるが、基本雨天時は濡れます。
薪ストーブもあったが、これは賑わっているときや今後何かしらイベントがあったりしたときじゃないと稼働しないかなとは思う。
そう、ここは24時間営業。コストはコントロールしないといけないはず。
そんな整い場の真ん中に、水風呂。一人用です。
そもそもこの空間の許容量が12名程度(更衣室のロッカー数、サウナの終了人数から鑑みるに)かつ、そんなに混まないのだろうから、問題ないといえば問題ないが、入浴中に誰か先に出たら、ちょっと我慢して時差退出したほうがいいよなぁ、とは思った。
ちなみに、夜行くと、とても暗いです。
人がいないから照明がついていない、のではなく照明の数がそもそも最小限に設計されている。24時間営業という観点からコストダウン(近隣への迷惑も考慮)しているのだろうし、チルという意味では個人的には全然OK。
とはいえ、箇所箇所で真っ暗なデッドスペースがあるので注意。
(メインのサウナ前は照明つけといてください、さすがに!)
サウナ室は二つ。だが、稼働しているのは一つ。
というのも、季節柄さすがに外気浴はしんどい人も多かろうという状況で、片方を室内整い場にしている模様。
12月より冬季限定にて、寒い季節でも心地よい内気浴スペースをご提供するため、男女と共に共有スペース側のサウナ室を35℃設定にして、水風呂の後にほんのり温かさを感じられる「ととのい室」としました。
この整い場からも宍道湖が見えるのだが。
扉を一枚挟んで向こう側が、噂の男女共有スペース。
ここのみスマフォ持ち込みOKなどかなり攻めた設計だなとは思ったものの、眼の前一面に広がる宍道湖は最高。日中は青空、夜は星空が楽しめるのもよい。しかも、夜はめちゃくちゃ静かです。車の音もほとんどしない。
宍道湖を見下ろせるサウナという意味では一畑ホテルがあるが、水辺という超近距離の眺望としては唯一無二。
ただ、振り返ると、ガラス張りのサウナが見える。前述した冬季は整い場になっているサウナ室である。もちろん女性側も見える。
うーん。自分が女だったらこっちには入りづらいかなぁ……と、正直思う。
メインのサウナ室については、次項に譲ろう。
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【サウナ】
扉を開けると、前室。タオル・サウナハットなどをかける突起が6つ。つまり定員は6人だ。壁にメガネ置きつけてください、切にお願いします。
ちなみにサウナマット等敷物は持参のこと。
中に入ると、眼の前にストープ。オートロウリュ。
右手は全面ガラス張り、宍道湖が見える。とてもよい。水着着用の理由もよくわかる。
左手側に座るわけだが、4人ぐらいがパーソナルスペースもあってよい感じ。6人だとかなり狭いと思う。
当然ながらテレビなどなく、サウナー的には最高の環境かと。
温度に関しては、21時過ぎに行ったのでなんとも言えないところがあるが、個人的には熱すぎずとてもよかった。
12分いられる、のがあくまで自分個人の基準で好きな温度なのだが、多分一般的なサウナーはもっと熱いのが好みだと思うので、そういう意味では少々低めだったのかも。
とはいえ、24時間営業ということで、時間帯によってコンディションが違うと思われる。
というのも、宍道湖側が全面ガラス張りの影響で、外気の影響を受けやすいはず。その日は相当寒かったので、だいぶ熱が逃げていたのだろう。
ちなみに夜は、段差に設置されたLEDライトのみ。(天井に照明の形跡なし!)
個人的には最高にチルだが、人によっては「暗っ!」となるだろう。
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【注意事項】
持っていかなければいけないものが多め。
着衣(海パン・水着・ラップタオルなど)
敷物(サウナマットなど)
飲み物(アルコール類NG)
アメニティー(シャンプーなど)
タオル
上記の中で、ラップタオル・サウナマット・アメニティーは購入可能だが、自販はないので当然オロポなんてできないし、ほぼどこでもあるタオル貸出もないので、忘れずに持参のこと。
スマフォがないと入場できないので、充電もお忘れなく。
また、整い場は下が木材ということもあって滑りやすい。前述した通り、夜は結構暗いのでくれぐれも転んで怪我などしないようにご注意を。(係員さんいませんので!)
カップルや家族でも楽しめる!ということだが、どうなんだろうな……。
パートナーがよっぽどサウナ好きじゃなかったら、やめといたほうがいいかもしれない。なんとなく。(個人の感想です)
【近隣】
宍道湖温泉街を抜けて住宅街へ向い、少し入ったところにある。
夜行くと結構わかりづらくて不安になるが、Googleマップでしっかりたどり着くのでご安心を。
宍道湖温泉側から向かう場合、セブンイレブンが最後のコンビニなので、お飲み物はそちらで。
途中にあるコーヒー屋さんがずっと気になっている。
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【総括】
会員制で、QRコード入場というのは都心だとよくあるが、島根だとまだ珍しいと思うので煩わしさを感じる人もいるだろう。
水着でサウナに入るのに抵抗がある人や、大浴場がないことに違和感を感じる人などもしかりで、どこをとっても、かなりサウナ好き向けの仕様にはなっていると思う。
とはいえ、サウナ好きにとっては、「松江にほしかった待望のサウナ」ではないかと思うので、ぜひ通ってみてほしい。(人がこないと、なくなってしまうのである)
早朝、夕方、星がきれいな夜など、行ってみたいシチュエーションがたくさん湧いてくる、そんなサウナだった。
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【ひとりごと】
よいサウナだからこそなくなってほしくないなと思う。
先日、浜田の方に行ったのだが、帰りに温泉津にあるサウナ「風」に行こうと思ったら、休業していたことを知る。非常に残念。
都心ではポンポコポンポコと新しいサウナができて、その勢いたるや衰えを知らない、ように見えるが地方だとそうもいかない。
とはいえ、賢いなと感じたのは、コワーキング・ジムが併設していることである。それぞれ単体で経営を成り立たせるのは立地上かなり難しいと考えるが、それを3つ合わせることで、別のニーズに応えつつ収益は単純計算で三倍になる。
割とシナジーがある分野なので、セットの放題プランなども効いてきそうではある。
何より、チョコザップなどに代表されるような「ほぼ無人店舗」にすることで、最大の固定費である人件費を極限まで削減できるというのは、営業を回していくうえでかなり大きいと思う。
必須の持ち物が多いことをマイナスのように紹介はしたが、これもコスト削減の工夫であるし、大浴場がないのも正解だと思う。
多少の不便はこの施設存続の知恵から来るものだと思えば、受け入れられる気持ちにならないだろうか。
末永く、松江のサウナーを癒やす場所になってほしいなと思う。