日本でも乳児用液体ミルクの実現を

 4月14日から平成28年熊本地震が続いています。熊本は去年病児保育の勉強会のため訪れた場所でもあります。数ヶ月の差ではありますが自然から見れば誤差の範囲でしか無く、私が地震に巻き込まれていたかもしれません。地震の速やかな収束と一日でも早い復興を願ってやみません。

 被災者の人たちの中には自宅から離れることを余儀なくされ、避難所暮らしをしている方々もいます。赤ちゃんのいる家庭で問題になってくるのは授乳です。避難所暮らしではプライバシーも制限され、思うように授乳できない人もいます。また、授乳するチャンスが減ることや避難のストレスのため、母乳量が減ってしまうお母さんもいると思います。何かしらの理由でもともと授乳できないお母さんもいることでしょう。

 そうなってくると、粉ミルクが必要になる場面が出てきます。粉ミルクであれば、授乳しなくても赤ちゃんにミルクを与えることが出来ます。しかし、そのためには条件があります。一つは清潔な水を手に入れること、二つは粉ミルク中の病原体(サカザキ菌・サルモネラ菌など)を殺菌するために70度以上のお湯が必要なこと、清潔な哺乳瓶・スプーン・授乳に使う乳首が菌に汚染されていないこと、さらには調乳後速やかに授乳させることです。しかし、避難所生活では、残念ながら全てを実現できるのは難しいです。

 海外では殺菌済の乳児用液体ミルクがあります。すでに調乳してあり殺菌済みです。これならば、災害時にも安心です。しかし、日本では調乳豆乳の「ソイヤラックネオ」を除いでありません。

 理由はいくつかありますが、最大の理由は会社の利益にならないことでしょう。今後日本で粉ミルクのシャアが縮小することはあれど拡大することはない現状で、粉ミルクよりもコストがかかり、更には重くなるから輸送コストが掛かる液体ミルクが、メーカー主体で流通するとは思えません。

 少なくとも、災害時の緊急避難用に液体用粉ミルクを国レベルで備蓄すべきとは思います。

 天災時に授乳で悩まないお母さんが少しでも減ることを切に願います。


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