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DAIDA LAGARが生まれるまで 前編

「DAIDA LAGAR」は藤枝市瀬戸谷地区で誕生したクラフトビールである。
瀬戸谷地区にある「びく石」がだいだらぼっちによって落とされた、という伝説をモチーフにロゴを制作。
力強いホップや、モルトのコクを味わえる商品となっている。
今回は、このビールが生まれた背景、想いについて、また、今回の商品の大きな特徴であるART DRAFT PROJECTとは何か?についてプレイングマネージャーとして関わったchobitが記していこうと思う。


曲が先か?詞が先か?

よくアーティストが曲を作る時に出る話題。
曲が先に出来上がって、後で詞をつけるのか?
それとも詞が先に出来上がって、後で曲を作るのか?
この話、前者「曲先」が圧倒的に多い。
なぜか?

作りやすいからだ。

曲はメジャースケールなのか、マイナースケールなのかで大体の曲のイメージが出来上がり、メジャースケールなら明るいポップな感じ、マイナースケールなら暗い、または渋めな感じ、となんとなく決まってくる。そこにメロディーを当てはめていって、メロディーに合う言葉を並べていく。
といった感じだろうか(何曲か作っただけの素人作曲術です)。

かたや、詞先はというと、先に歌詞がある。
歌詞でなくても文章があったりする。

先に文章や歌詞があると、曲作りは難易度が高く、この手法を用いている人は少ない。
問題は、音節とメロディーを合わせる難しさから、だと思われる。
音節にピッタリとメロディを合わせていくのは至難の業だ。

桑田佳祐作曲の「100万年の幸せ!」はさくらももこ作詞であるが、桑田さんにちびまる子ちゃんのED曲を作って欲しくて、さくらももこが自ら桑田さんに詞を送ったそうだ。その際に、最初から曲の譜割りをしやすいように音節を調整していたらしい。そのため、桑田さんは苦労なく作曲できたと語っていた。

それくらいのスキルがないとこの詞先という曲作りは難しいのである。

これをビールでやってみよう。
これが今回のプロジェクトの主旨である。

つまり、ビールがあって、ラベルをつくるのではない。
ラベルにあうビールをつくるのだ。

193 ART DRAFT PROJECT

最近のクラフトビールは魅力的な商品だらけだ。
ブルワリーそれぞれに味、デザインともに特色を出し、工夫を凝らし、お客さんに喜んでもらえる商品を常に作り出している。
原料ついても、地元のものを副原料として使用したり、地域に根差した取り組みがなされることもあり、日本酒のように、各地域に醸造所があり、その土地土地の文化に合わせた商品ができつつあるように感じる。

一方、デザインに目を向けてみる。
オシャレではあり、素晴らしいデザインのものが多い。
しかし、地域に根差したものか、というと一概にそうでないものも多い。元々データでやり取りする前提のものなので、確かにその地域のデザイナー、アーティストである必然性は無い。
むしろ、気に入ったアーティストにデザインを頼んだ方が、より商品価値が高まる可能性があるだろう。

しかし、193 ART DRAFT PROJECTはここにこだわろうと考えた。
即ち、原料の一部を地元のものを使用するように、ラベルデザインにも地元の要素が含まれるようにしたい、と考えたのだ。

スペイン人アーティスト ハビとの出会い

今回、DAIDA LAGERを開発するに至ったきっかけとして、ハビエル マリモン(以下ハビ)との出会いがある。というか、それが全てである。

ハビはスペイン人アーティストであり、絵画、アニメーション以外にも音楽制作、DJなど音楽関係など多岐にわたって活動している。

https://www.instagram.com/javiermrmn/


そんなハビとの出会いであるが、藤枝市の推進する「陶芸村構想」の一環として「アーティスト・イン・レジデンス」を行うために、藤枝市瀬戸谷地区、市之瀬集落にやってきたのだ。
(詳細はhttps://www.city.fujieda.shizuoka.jp/soshiki/sports_bunka/chusankan/keikaku_torikumi/19962.html)
筆者(chobitの中の人)の真横の空き家を借りて、滞在制作するという。


事前の情報で、
・すごい人の子孫である(宮廷画家ディエゴベラスケスの子孫)
・39歳(同い年!)
・陽気な気のいい兄ちゃん

くらいの情報しかなかったので、同い年だし上手くできたらいいなぁ、スペイン語喋れないけど、英語でコミュニケーションできるかなぁ・・・。
という期待9割、不安1割くらいに思っていた。

蓋を開けてみれば、そんな1割の不安は杞憂でしかなく、ハビはとにかくイイやつだった。
来日した際はまだNYとの案件を抱えており、昼夜逆転の生活を送っており、慣れない生活もあって大変だっと思うが、我が子の興味本位の行動(遊びに誘ったり、遊びに誘ったり…)にも嫌な顔せず付き合ってくれた。
英語でのコミュニケーションはもちろんのこと、結構日本語も喋れたので、コミュニケーションは全く問題なかった(日本のアニメスゴイネ)。

せっかく隣だから〜ということで、時折夕食に誘い、我が家でお好み焼きを焼いたり、オムライスを食べたり、ビールを飲んだりしながら楽しく過ごした。

そして、我が家が週末居酒屋をやっていることを話す中で、ハビがベトナムビールの 「te te」をプロデュースしていたことがわかり、歯車が回り始めることになる。

中編へ続く

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