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自動車運転の難しいところ

教習を受けていても、「僕は自動車の運転に向いていないな」以外の感情が生まれない。

そもそも自動車の運転は難しいものだと思うのだが。だからこそ免許制になっているのだし、18歳以上(普通免許の場合)でないと取得できないようになっているのだろう。皆どうしてそんな、いとも容易たやすくやってのけるのであろうか。

しかし、全ての18歳以上の人間が運転できる程度の素質を持っている訳では無いと思う。そして、「運転できる程度の素質を持っていない」人というのが、他でもない僕である。

素質についてはともかく、運転の難しいところを挙げていきたい。なお、ここで「自動車」または「車」と言ったときは全てAT車であると仮定している。MT車の免許を取った方が読んでいたらごめんなさい。

・ブレーキとアクセルが混ざる

よく高齢者などがブレーキとアクセルを踏み間違えて事故を起こすようで、ニュースになることも少なくない。

しかし、25歳の僕でもその気持ちはよく理解できる。ブレーキペダルとアクセルペダルって、似ているよね

むしろ何で皆、踏み間違えないでいられるのだろうか? 僕にはそれが物凄ものすごく不思議である。

・合図を出すタイミングが分かりづらい(というか分からない)

右左折や転回をするとき、その地点の30メートル手前の地点に達したときに合図を出す、と学科教本には書いてある。

しかし、路上に何の目印も無いのに目測で30メートルなど測れる訳が無い

だいたい、「運転席から見てこの辺りが30メートル手前だ」という正解を教えてくれないまま路上に引っ張り出す癖に、合図が早いだの遅いだのと怒ってくるのはあまりにも理不尽である。

そもそも30メートルってどれぐらいの距離なのだ

学科教本に書くくらいなら、せめて交差点の30メートル手前の地点に線でも引いてくれたって良いではないか。

・速度の維持が難しい

法定速度(普通自動車の場合時速60キロメートル)や規制速度(道路によって異なる)があるのは別に構わないし、それを1キロでも超過したら罰せられるというのもまあ分かる。

そういう規制が無ければとんでもない速度で走っても良いことになって、非常に危ないので。

だったら常に時速20キロぐらいで走りたいところだが、そうすると後ろの車に迷惑がかかるという。それゆえ法定速度(規制速度)付近の速度で走れと、教習中に言われたことがある。

要するに「速すぎても遅すぎてもダメ」ということだ。

しかし、自動車の速度を一定に保つことは困難である

アクセルペダルを少し踏んだ状態を維持すると速度は上がるし、ブレーキペダルを踏んだ状態を維持すると速度は下がる。そして、どちらのペダルも踏んでいない状態だと、摩擦などによってやはり速度は下がる。

つまり、2つのペダルをどのような力加減で踏んでも、あるいは全く踏まなくても、速度が一定になることは無い。そのため、ペダルの踏み加減を徐々に変化させるしかないのである。

※しかも、道路の状態(例えば坂など)によって、速度はいくらでも変化する。速度を一定に保つためには、これも考慮する必要がある。

しかし、慣れないうちは、どれぐらいペダルを踏んだらどれぐらい速度が変化するかを把握することができない。

やはり、感覚で会得するしかないのだろうか。それまではどうやって速度を一定に保てば良いのだろう?

スピードメーターを見ながら一定になるように調整しようとしても、そんなことをしていたら(それはつまりよそ見運転ということになり)周囲の状況を確認できなくなって事故を起こす。

そうでなくても、スピードを一定に保つことばかり考えていれば、やはり周囲の状況の確認がおろそかになり事故を起こすことになる。

結局、自動車に「速度を一定に保つシステム」が無いせいで、運転中にしなければならないことが一つ増えるのである

ただでさえマルチタスクが出来ない僕にとって、タスクを増やされるのは負担でしかない。

高校の物理学で想定するような、物体に力が全くかかっていない状態なら速度が一定になる、そんな世界だったら楽なのに(もちろん、そんな世界だと摩擦が無いことになるので車は永遠に停止できないことになる。どちらにしても全然楽ではない)。

・視界不良の時でもお構いなし

昼間でつ晴れているのならば問題無いが、激しい雨が降っていたり、夜間だったりすると著しく視界が悪くなる。

そんなときは、法定速度があるとしても時速20~30キロメートルぐらいで慎重に走りたいものだ。

ところが、そんな状況でもノロノロ走っていれば後続車に迷惑がかかる、と教官から言われたことがある。

おかしな話である。だいたい、学科教本にも「道路や交通状況、天候や視界などをよく考えて、安全な速度で走行しなければなりません」と書いてあるのだ。

激しい雨が降っている夜間(そういう状況で路上教習を受けたこともあるが)とかに時速60キロメートル(特に規制などが無い場合)で走れるわけがないし、周りから見ても明らかに危険だと思う。

運転者が周囲に対して思いやりを持つことはもちろん大事だが、だからといって運転者の不安感などをないがしろにしないでいただきたい。


余談だが、僕が路上教習中に通った道の中には、道が細い(双方一車線ずつ)カーブになっているガードレールが無い街灯が少ない、という状態であるにもかかわらず規制速度が時速50キロメートルとなっているところがある。

一体どう判断すればこの道路における「安全な速度」が時速50キロメートルになるのだろうか。この地点の規制速度を設定した人たちのことを一発以上殴ってやりたい。ふざけるのも大概にしていただきたいものである。

視界不良の状況下で運転せざるを得ない人たちや、運転が得意ではない人たちのことも、少しは考えて欲しいものだ。


このようないくつもの困難があるのだから、自動車を運転するのは難しいことなのだ。

ここまで書いてきたことは、既に免許を取っている人からすれば「そんなことも出来ない(わからない)のか?」と思えるようなことであるのかも知れない。

しかし開き直るようで申し訳無いのですが、僕はそんなことも出来ません

まったく、写真付きの身分証明書を1つ手に入れるだけなのに、どうしてこんなつらい思いを何度も何度もしなければならないのだろうか。これではあまりにも割に合わないだろう。

そもそも今はマイナンバーカードがあるのだから、運転免許証は必要ないと思うのだが……。

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