【漢検】文章題の出典を探したい・前編
漢検1級・準1級には、「文章題」という問題がある。
これは、主に著作権の切れた(ただしこれは漢検公式が明言した条件では無い)文学作品などの文章を題材とし、文中の漢字の読みを答えたり、カタカナになっている部分を漢字で答える、という問題である。
題材となる文章は、小説、随筆、評論が主であるが、過去には『平家物語』の一節が題材となったこともある(令和3年度第1回の1級)。
時には文語体で書かれた文章が出てくることもあり、1級・準1級の学習を始めたばかりの方々にとっては一つの壁となり得るだろう。
さて、ここからが本題である。
漢検の文章題で引用される文章は、出典元である作品のごく一部に過ぎないケースが殆どである。
そうなると、気になった作品があれば「全文を読んでみたい」という気持ちが芽生えることもある。
だが、ここで問題が生じる。それは、その作品がどこに収録されているのか?という点である。つまり、どこに行けばその作品を読むことができるのか?ということだ。
いちばん楽なのは、『青空文庫』というウェブサイトを訪問することである。ここでは、主として著作権が切れた文学作品を無料で読むことができる。
▼『青空文庫』
夏目漱石や中島敦など、比較的著名な作家の作品はこれで解決することが多い【注1】。
【注1】もっとも、それぐらい著名な作家の作品ならば、書店や古本屋に行って探せば解決するケースも多い。しかしこの記事は、あくまで「無料で」読むことを前提に書いているため、そのようなケースについては考慮していない。以下も同様。
しかし残念ながら、著作権が切れていても、『青空文庫』に収められていない文章もある。この場合、そもそもインターネット上では全文が公開されていないと考えるのが妥当であろう(もちろん、文章にもよるだろうが)。
この場合は、少し面倒だがその作品を収めている紙の文献にあたることになる。
ここで「少し面倒」と書いたが、実を言うと、目当ての文章がどの文献に収められているかを調べるのはそこまで面倒では無い。
このとき、僕は国立国会図書館のウェブサイトを利用して調べている。
▼国立国会図書館ホームページ
ここでは「何という文献に収められているのか」と「その文献が日本のどこの図書館に所蔵されているのか」の両方を調べることができるのだ。便利な世の中になったものである。
しかし、その文献が近所の図書館にあれば良いのだが、無い場合は所蔵している最も近い図書館へ実際に足を運ばなければならない。これが意外と面倒なのである。
【2024年11月13日追記】
本記事の続きとなる「後編」を公開しました。
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