
SF対STLニグロリーグ表敬試合
来る現地時間6/20(木)、アラバマ州バーミンガムのRickwood FieldにてSF対STLの記念試合が行われます。
この日は両球団とも各々の都市にかつて存在したSan Francisco Sea LionsとSt. Louis Starsというチームの復刻ユニフォームを着用します。(結構デザイン好きです)
The Giants and Cardinals will be wearing Negro League throwback uniforms for the MLB at Rickwood Field game
— MLB (@MLB) June 12, 2024
The threads will serve as a tribute to the San Francisco Sea Lions and St. Louis Stars Negro Leagues teams pic.twitter.com/Om8PL1evIK
試合が近づくにつれちょくちょく情報が出されていく中、贔屓チームのことなのに「そういえば去年なんか決まってたな」と今思い出すくらい印象が薄かったので今一度調べてみます。
どういう経緯?
MLBは2021年にField of Dreams GameとしてNYY対CWSを、そして同じ名前でCHC対CINの試合が行いました。
しかし2023年は8000万ドルにも及ぶ開発プロジェクトが2022年9月から行われておりこの地で試合をすることができない状況です。
そこでMLBはアメリカ奴隷制の解放を祝う祝日である"Juneteenth"(6/19)を称えるマーケティングにシフトし、その延長上でニグロリーグ、ウィリーメイズをたてる方向へと決定しました。
当日は存命する157人の元ニグロリーガーのうち60人が出席することが報じられています。
Rickwood Fieldって?
Rickwood Fieldはアラバマ州にあるアメリカで最も古い球場です。現在のMLBチームの本拠地で最も古いFenway Parkの開場が1912年、Rickwood Fieldはその2年前の1910年開場です。

ではなぜこのRickwood Fieldが試合会場として選ばれたのかというと一つはもちろん最も古い球場であるということ、もう一つはニグロリーグが開催されていたからになります。
Birmingham Black Baronsというチームが本拠地にしており、あの伝説の投手であるSatchel Paigeも所属していました。
その後CWS傘下のBirmingham Baronsも1987年まで本拠地としていました。移転後も1996年からRickwood Classicとして年に1度、当時のユニフォームを着用して試合をしており去年は中止になりましたが今年はMLBの試合の2日前である6/18にBarons(CWS傘下)対Biscuits(TB傘下)の試合が行われます。
もちろん古い球場であるため、500万ドルにも及ぶ改修が施されており新しいダグアウト、センターフィールドの最新のバッターズアイ、デジタルスコアボード、ファウルライン沿いのネット、そしてアクセシビリティの向上などが施されています。https://www.mlb.com/news/giants-cardinals-2024-rickwood-field-game-faq
あと実はSFの監督のBob Melvinがこの球場でプレーしたことがあるそうです。https://www.mlb.com/news/bob-melvin-recalls-experience-playing-at-rickwood-field
なんでこの2チームなの?
サンフランシスコ・ジャイアンツ(SF)
SFの最も有名な黒人選手といえばやはりWillie Maysでしょう。彼もニグロリーグ出身であり当時の所属チームはBirmingham Black Barons、そう彼はRickwood Fieldでプレーをしていたのです。
彼自身「10代の頃にプレーしていた球場でMLBの試合が行われるのは信じられない。自分のプレーから75年後にニグロリーグを称える試合がこの球場で行われることに感激している。」と。

またSFも2021年から毎年、Sea Lionsのユニフォームを着用する試合を設けておりアフリカ系アメリカ人に敬意を表している球団でもあります。
This year marks the 75th anniversary of the San Francisco Sea Lions and the West Coast Negro Baseball Association. In celebration of this anniversary, we will don these replica uniforms on the field today. pic.twitter.com/C6Wav7nHge
— SFGiants (@SFGiants) June 19, 2021
セントルイス・カージナルス(STL)
正直贔屓球団でないためこういう試合あったよねとかはあまりわからないですがまずセントルイスにはSt. Louis Starsというニグロリーグのチームがあったこと。
このチームにもCool Papa Bellをはじめとした殿堂入り選手が所属していました。また、Starsはアフリカ系アメリカ人として初めて、彼ら自身が所有する球場をホームとしていました。このStars Parkは現在も残っており、Harris-Stowe State Universityのホーム球場として使用されています。
STLはこの歴史をセントルイスに残すことを重視し、120万ドルもの資金を提供しこの球場の改修に協力しました。

いつ行われるの?
6月20日現地午後4:15、日本時間ですと21日午前8:15です。
見どころは?
やはり黒人選手の活躍でしょう、SFの選手ではまずユニフォーム写真のモデルに選ばれているJorge Solerや5月末にハムストリングを痛めたにもかかわらずこの試合に出ようと必死にリハビリを頑張っていると報道のあったLaMonte Wade Jr.の活躍に期待です。(どっちもDH…)
特にWadeは開催が決定した昨年から所属している選手であり、メイズから認知されていることにとても感激したなど彼自身もアフリカ系アメリカ人でありこの試合を楽しみにしている1人でもあります。
あとMLBのレギュラーシーズンとしてもNLワイルドカードを低レベルに争っている2球団でもありますのでそこもがっつり楽しめます。
あとSFファンとしてはBrandon Crawfordとの再会でしょうか、2008年ドラフトから去年までまた強かった時の2012,14年を知っている数少ない現役選手でもあります。敵として初めて見る彼の姿を楽しみにしております。