SFのTDL振り返り
それぞれの総括だけでいい気がする
Jorge Soler+Luke Jackson⇄Tyler Matzek+Sabin Ceballos
7/29に成立したトレード。今年のSFにとってこのトレードが最大規模であり、一番ファンを驚かせたトレードです。
SolerとJacksonは両名ともATLがWS優勝した2021年の主力選手でしたのでATLファンは英雄の帰還と興奮されていました。
ATLの事情は詳しくはわからないので言及しませんがJorgeは後半戦絶好調ですし、Jacksonも不快投球を続けていましたが7月に復調傾向を見せています…
…それでも売り切るのえぐいな
目的が2つほどあるので紹介します。
目的1:サラリーダンプ
今回のトレードには金銭負担が含まれずATLにはSolerを2026年まで保有可能ですが来年再来年はそれぞれ13Mずつ贅沢税が加算されます。またJacksonもCOがありますが最低でも2M加算されます。今年SFは贅沢税の基準額を上回っていますが全てのトレードが完了後も下回っていません。今年のというより来年再来年のサラリーダンプが目的になります。
目的2:若手の出場機会確保
SolerはSFでは完全にDH専であり若手の昇格の蓋をしていました。(こうなるの獲る前から分かってたやろ)現にTDL後の2試合にはDHにトッププロスペクトであるLucianoが入っております。AAAで最近当たっていた彼は前半の昇格時には試合終盤に守備のイージーミスが多数見られ信頼を落とし、DHにはSolerが居座っていたため昇格を見送られていました。
対価
Tyler Matzekはそれこそ2021年の英雄の1人なんじゃねえの?とATLファンの喜びようにちょっと違和感を覚えましたがまあそこは置いといて、彼は現在60日ILに入っているのでロスターに影響を与えません。7月初頭に肘の屈筋腱を痛めたそうでUCLではないためTJは必要ないとのこと。正直今年中の活躍はあまり期待できませんがMatzekにはCOがあり、実績があり且つ怪我で評価を落としている投手大好きなZaidiにとってリハビリの状態を見てフレキシブルに対応できる点が気に入ったのかなと。
Sabin CeballosはATL傘下17位のプロスペクト、21歳の3Bでヒッティングスキルに優れていますがパワーを活かしきれていないという評価を見かけました。
3Bも肩が十分なので残れると言う見方が大きいです。まぁプロスペもらえるんならなんでもいいよこのトレードは。あとSF傘下所属初試合でHRを含む5打数4安打の活躍で早くも現地民の支持を得ています。
総括
まぁあの2人を金銭負担なしで放出してこっちがプロスペクト出すどころか対価もらえてる時点でいいんじゃないですかね?さすがトレード相手を舐めるで有名なザイディです。トレード自体はすごいと思います。
ただSolerをFAで獲得せんかったらこんなこと起こらんかったんでただのマッチポンプやんけ。
Alex Cobb⇄Jacob Bresnahan+PTBNL
最終日に成立したトレード。Cobbは1987年生まれのベテラン右腕ですが今季は怪我の影響でまだMLB登板はありません。リハビリの状態は↓
現在ローテはWebb,Birdsong,Harrison,Snell,Rayと一応は5人揃っており、万が一の時はHicksを先発に再々転向するかAAAから若手を持ってくるかあとはBivensなどのロングいけるリリーフでなんとか乗り切るなど複数のオプションがあり、本来は6月に復帰できると自信満々に語っていたCobbが余剰気味であったため放出に至ったのだろうと思います。
Cobbは下ではソリッドな投球をしているためCLEでまあまあ活躍するんじゃないですかね?
対価はJacob BresnahanとPTBNLです。Bresnahanは19歳の左腕で今年ACLで開幕し50登板で66奪三振ととても良い成績を残しています。7/25にAに昇級し初先発、4回を2失点に抑えるなど19歳という年齢を考えると順調であると言えます。
球種は91-93mphの4シーム、スライダー、チェンジアップがありよくあるタイプで育てる自信もありそうだなと思います。19歳で身長も6'4"あるのでまだまだ球速を伸ばせそうで将来的にはソリッドな先発ローテクラスになってもらいたいです。
ただいい選手ではありますが売り手優位なTDLとZaidiにしてはCobbの対価としてまだ少し物足りない感はあるのでPTBNLに期待です。
総括
とりあえずCobbの度重なる小さい怪我に不信感を募らせたんだろうなと言う感想です。もちろんローテの軽いダブつきもありますがCobbが残留していてもおかしくはないローテ陣容ですので。対価のBresnahanは19歳にしてはコマンドもある程度まとまってはいますしかと言ってMLBレディーの先発はWhisenhunt,Loupp,McDonaldと揃ってはいるのでいい年齢帯の先発候補を獲得できたと思います。PTBNLもA〜AAくらいのレベルの選手が選ばれると思います。
Eric Silva⇄Mark Canha
ベイエリア出身のCanhaがベイエリアに戻ってきました。彼の獲得理由は対左のプラトーン要因です。彼は今年wRC+は98ですが左投手限定ですと140にまで跳ね上がります。また守備位置も1B、両翼と守れるのである程度のUTL性も兼ね備えています。1Bには右打のFloresはIL(2週間前と同じ部位だけど本当?)、あとは左打のWade Jr.がいます。また、両翼はYastrzemski,Conforto,Hillがいてそのうち前2人は左打ちなのでそこに使われるのかなと。
しかしWade,YastrzemskiやConfortoは今年左投手相手からも打ってますしチーム打撃も左投手相手にはMLB4位のwRC+118に対し右投手には16位の97なので自分としてはZaidiが笑顔でチームにフィットすると言っているのがちょっとよくわからないです。
対価のEric Silvaですが2021年ドラフト指名の右腕です。最速97mphの4シームと高評価のスライダー、カーブを操りチェンジアップも投げます。投げてるボールはエグいのですがその反面SF傘下でコマンドが治ることはありませんでした。
ドラフト指名当時からそれぞれレベルの高い4球種を投げることで将来のエース候補として育成されてきましたがついに今年リリーフ転向、転向後少しはマシになりましたが今度はゴロ率が下がってフライボールをよく打たれることが多くなり被HR数が増えました。
Silvaが今年所属していたAA級RichmondはトレードされたDETと同じリーグで対戦回数も多いので何か育成方針を見つけての獲得かもしれません。奪三振能力は相変わらず素晴らしいので何かのキッカケでMLBにはスッといけそうなものですが。
総括
正直Canha獲得はよくわかりません。そこまで必要であるとあまり思えないですがOAK時代の同僚であるChapman、また監督であったMelvinがいますしクラブハウスの環境作りに今年力を入れているのでその一環かもしれません。ただ現地ファンの「去年のPollockと同じや!」は流石に違うやろ…
対価のSilvaは素晴らしいタレントを持っていますがSFでは育ってもリリーフで、球団としてもこれ以上育てられるとは思わないのでそこまで痛手ではないです。
ただリリーフでも育ち切ったとすれば支配的な投球をできるポテンシャルを持っているのでDETの育成力を信じ彼のMLBデビューに期待します。
総合総括
SolerとJacksonを売った時には完全に売り手に回って贅沢税の基準値以下にまでペイロールを下げるのかなと思いましたがSnellを売らなかったり、逆にCanhaを獲得したりとそうはなりませんでした。
憶測ですが最初はSnellを売ろうと思っていたがSolerのトレードで売る気はなくなりだいぶ強気に出たんだろうと思います。(SDにSalasとDe Vries要求したらしいし)確かにSloerのトレード後も基準額を下回るには結構売らないといけないのでオーナーが許すんならこのままでいいと思います。それにやはりSolerのトレードは来年以降の自由度を上げたのが大きいと思います。
それを踏まえるとCobbはサラリーダンプトレードというより余剰戦力でプロスペクトを補充しただけに見えます。それでもまだ今年はプレーオフを狙える位置であると思いますし、もし逃したとしても「Cobbがいなかったからだ!!」とはならないと思います。また、SnellやRayのように支配的ではないですし復帰もずっと延期しているので放出は理にかなっている気がします。
総合的に評価しますと「まっ なかなかウマインじゃあねーの~っ ウマイよ かなりウマイ でも なんかよくわかんねーけどよ…」